
任天堂『ポケットモンスター』シリーズは、初代にあたる『ポケットモンスター 赤・緑』が1996年2月に発売。来年2026年2月で30周年を迎える国民的人気ゲームだ。2025年10月16日には、最新作『Pokemon LEGENDS Z-A』の発売が予定され、期待しているファンも多いことだろう。
『ポケットモンスター』シリーズとは、初代の『赤・緑』から30年近い付き合いになる筆者にとって、とくに思い入れのある作品が、1999年に発売された2作目の『ポケットモンスター金・銀』である。
令和になった現在、ふと遊んでみたくなっても、意外に『金・銀』をプレイできる環境はかなり限られている。手元にゲームボーイ版『金・銀』のソフトがあっても、バッテリーバックアップ用の内蔵電池がすでに切れており、セーブすることができない可能性が高いのだ。
最近、『金・銀』プレイしたいと思った筆者も同じ状況だったが、以前ニンテンドー3DSにバーチャルコンソール版『ポケットモンスター金』(現在は配信停止)をダウンロードしていたことを思い出した。そこで発売当時、小学生だった筆者が大ハマリした『ポケットモンスター』の2作目を約25年ぶりにプレイし直し、あらためて感じたことをつづってみたい。
※本記事には作品の内容を含みます。
■そういえばあった「リアルタイムクロック機能」
久々にプレイしてあらためて感じたのは、初代『赤・緑』に比べると「やることが大幅に増えた」ということ。『金・銀』には「リアルタイムクロック」という機能が導入され、ゲーム内も現実世界と同じように時間が流れている。そのおかげでゲーム中に昼夜が切り替わり、「曜日」の概念も存在した。
昼夜で出現ポケモンが変わることにも混乱したが、とくに大変だったのは曜日によって発生するイベントが異なる点だ。
曜日ごとに別の場所に出現して、ありがたいアイテムをくれる「曜日兄弟」、特定の曜日にしか開催されない「虫とり大会」、毎週金曜にしか出現しない「ラプラス」など、曜日にまつわるゲーム中のイベントは多岐にわたる。
現在は手元にスマホがあるため、攻略サイトで簡単に情報を集められるが、『金・銀』の発売当時にそんな便利なものはなかった。ゲーム内でヒントを見つけてメモしながらプレイすることが求められるが、当時そんなマメなことをしていた小・中学生がどれだけいたのだろうか。少なくとも、筆者は行き当たりばったりで遊んでいた。
そんなわけで当時は少々面倒な気もした「リアルタイムクロック」が関係するイベント。だが今あらためてプレイしてみると、スマホゲームの「ログインボーナス」のように、毎日プレイするモチベーションになるのも確かである。
「今日は◯曜日だから、あれとあれをやらなきゃ」と考えさせられるのは、ゲームをより長く楽しんでもらう仕組みとしては秀逸だと感じた。
■2つのマップと、レベルアップに感じたこと
『金・銀』の舞台は、関西地方をモデルとした「ジョウト地方」だ。しかし、そのエリアをクリアしたあと、初代『赤・緑』の舞台だった「カントー地方」に行くことができるのは、当時感動させられた要素のひとつ。
そして、あらためて『金・銀』の世界を冒険してみて実感したのは、全体的にポケモンのレベルが低く設定されており、ポケモンのレベルが上げにくいという点だ。
その証拠に『赤・緑』のラスボスだった四天王の1人目「カンナ」の使うポケモンはレベルが50台なのに対し、『金・銀』の四天王の1人目「イツキ」はレベル40台のポケモンを繰り出す。
『金・銀』自体が他のシリーズに比べて全体的にレベルが低く設定されているので、クリアするだけなら支障はないのだが、ポケモン育成の面ではどうしてもやりにくさを感じる。
実際、物語スタートと同時にもらった「ヒノアラシ」はかなり長期間、威力の低い「ひのこ」を中心に戦わなければならなかった。
それに『金・銀』の発売前から新ポケモンとして話題になった「デンリュウ」は、「モココ」をレベル30まで育てなければ進化できない。「デンリュウ」に進化する瞬間を夢見ながら、低威力の「でんきショック」で戦った日々は、なかなかしんどかったことを思い出した。