■最強だった「エスパー」に刺客登場? その実態は……!?

 初代『赤・緑』では「エスパー」タイプにはほとんど弱点がなく、バトル時も猛威をふるった。しかし続編の『金・銀』では、そんなエスパータイプに対抗するタイプとして、「あく」「はがね」タイプが実装された。

 とくに「あく」タイプにはエスパー技が無効で、エスパータイプにとって天敵ともいえる存在だった。だが実際にプレイして気づいたのだが、ゲームをクリアするまでは、ほとんど「あく」タイプのポケモンに出会わないのである。

 なお「あく」タイプの「ブラッキー」は、十分に懐いた「イーブイ」を夜にレベルアップさせることで進化できる。しかし、初代『赤・緑』にはなかった「なつき度」と「時間」という条件を満たす必要があり、攻略情報に疎かった筆者は当時まったく進化条件に気がつかなかった。

■結局強かった思い出深いポケモン

 「あく」タイプのポケモンとほとんど出会わないということは、結局冒険中に重宝するのはエスパータイプということになる。

 自分にとって、お気に入りのエースは「フーディン」だった。とくに『金・銀』に限ってのフーディンは、「ほのおのパンチ」「かみなりパンチ」「れいとうパンチ」の3種類、通称「3色パンチ」がすべて習得可能なので攻撃面でも優秀だ。

 パンチ技を得意とする「エビワラー」もこの3色パンチを使えるのだが、『金・銀』の仕様だと、なぜか3色パンチの威力に「とくこう」の数値が影響する。そのため物理アタッカーのエビワラーより、「とくこう」に優れたフーディンのほうが3色パンチの威力が高かったのである。

 その後の作品では、技ごとに「物理」と「特殊」に分かれることになり、フーディンが3色パンチで猛威をふるうような珍現象は見られなくなった。殴りまくるフーディンの活躍が見られるのは、『金・銀』ならではの光景だろう。


 1999年に発売された『ポケットモンスター金』を約25年振りにプレイしてみると、遊んでいるうちに当時の記憶がいろいろと蘇ってきた。さすがに最近の作品に比べると不親切な点もあるが、当時リアルタイムで遊んだ者としては、その不親切さすら懐かしく思える。

 子どもの頃、夢中になって遊んだ作品を大人になってからあらためてプレイしてみると、当時は気づかなかった新たな発見があるのかもしれない。

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