■ガンダムのパイロットは誰なのか
シュウジは第6話で「世界はいつも変わっていく。だからまた描きかえなきゃ」と意味深な発言を残し、続く第7話で小規模なゼクノヴァが発生した際に「向こう側が見える」と告げ、赤いガンダムとともに姿を消した。そのことからもシュウジと“向こう側”に見えた“何か”は、重要な関係があったのかもしれない。
また第11話では、シャアの匂いを嗅いだマチュが「なんかシュウジと似た匂いがする……かも」と発言した。これはニュータイプという共通点を感じ取っただけなのか、それともマチュの直感が二人は近しい人物だと告げているのかは分からない。
あるいは「向こう側」の世界にもいるであろうシャアと、シュウジは何かかかわりのある人物とでもいうのだろうか。
そして今回、シュウジの「彼女が作ったこの世界を終わらせるために」というセリフに応じるかのように、光の中から現れた「RXー78ー2 ガンダム」。それはカバスの館にいるこの世界のララァが語った「いつも白いモビルスーツが彼を殺してしまう」という夢の話に出てくる機体だと思われる。
この世界がシャアの生存ルートを求めるために作られた世界ならば、この世界のシャアが死ぬことで「世界が終わる」のかもしれない。
そのシャアを殺す白いモビルスーツに乗るのはシュウジなのか、あるいは「向こう側」の世界にいるアムロ・レイなのだろうか。
これまでシュウジは「……とガンダムが言っている」とたびたび発言していた。これは「向こう側」にいた「RXー78ー2 ガンダム」、もしくはその関係者が告げる言葉だったのかもしれない。
現在シャアがいる「イオマグヌッソ」の周辺には、シャアだけでなく、シャリア・ブル、マチュ、ニャアン、エグザべ・オリベといったニュータイプがそろっている。
万が一「RXー78ー2 ガンダム」に乗っているのがアムロ・レイだった場合、彼らが総力をあげて挑んだとしても勝てるビジョンが見えないのは筆者だけだろうか……。
いよいよ6月24日放送の第12話で最終回となる『ジークアクス』は、どのような結末を迎えるのか、まったく予想できない。マチュ、ニャアン、シュウジらの物語の決着と、鶴巻和哉監督が劇場先行版の舞台あいさつで語られた「富野由悠季さんのニュータイプの概念に関して、新しい解釈をしたい」という点に期待しつつ、最終回を見守りたい。