■ミュージシャンたちの楽器も実在するブランド?
『天使なんかじゃない』や『ご近所物語』の中川ケンや、『NANA』に登場するバンドメンバーなど、矢沢さんの作品にはミュージシャンが多く登場する。
明言はされていないが、彼らの使用していた楽器たちもまた、実在するブランドのものだと言われている。
たとえば、『NANA』に登場する『フェンダー』の「ストラトキャスター」や「プレシジョンベース」、『ギブソン』の「レスポール」などがそうだ。
ナナをはじめ、寺島伸夫(ノブ)や本城蓮(レン)が愛用するこれらの楽器はどれも丁寧に細かく描かれているため、どのキャラがどの楽器を使っているのかを推察するのもファンの楽しみとなっている。
個人的に印象深かったのが、ナナと奈々が駆けつけた「TRAPNEST」のライブでの1コマ。レンが『ギブソン』の「レスポール」を掻き鳴らす姿は特にカッコよく、大好きなシーンの1つである。
以前、矢沢さんは“子どもの頃からリスペクトするのは常にミュージシャン”と明かしているほど、無類の音楽好きだそう。ほかにも『天使なんかじゃない』では、ケンが『グレッチ』のギターを使用しているシーンが描かれているが、こういった細かい描写からも楽器に精通しているのがよく分かる。
ファッション、小物、楽器……と、登場するさまざまなアイテムも魅力的な矢沢さんの作品たち。作品をきっかけにブランドが好きになったというファンも多く、筆者も『NANA』をきっかけに『ヴィヴィアン・ウエストウッド』を知り、憧れた1人だ。
そして、実在するブランドだからこそ実際に購入することができるのも、ファンにとっては堪らなく嬉しいところだろう。
ぜひこの機会に矢沢さんの作品を見返し、作中に登場するブランドを探してみてはいかがだろうか。