■あっけなさすぎる散り様に視聴者も絶望…『ジョジョの奇妙な冒険』ナランチャ・ギルガ

 1986年から『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始され、今もなお『ウルトラジャンプ』(集英社)で新たなる物語が描かれ続けている荒木飛呂彦さんの『ジョジョの奇妙な冒険』。今年、第7部『スティール・ボール・ラン』のアニメ制作が発表されており、今後の展開が楽しみだ。

 手に汗握る能力バトルはアニメ版でも見どころだが、予想以上にあっけない散り様を見せたのが、第5部の主要キャラクターであるナランチャ・ギルガだろう。

 ギャング組織「パッショーネ」の一員として登場するナランチャは、17歳という若さでありながらスタンド能力を駆使し、敬愛するブローノ・ブチャラティをはじめ、仲間たちとともに数々の激闘を切り抜けていく。

 そんな彼にまさかの悲劇が襲い掛かったのが終盤でのこと。物語のカギを握る「矢」へとたどり着く寸前であった。

 勝利を確信し、戦いが終わったあとのことをあれこれ考えるナランチャ。しかし、不意にボス・ディアボロの能力によって時が消し飛んだことを悟り、仲間たちは戦慄する。

 周囲を警戒する一同だったが、なぜかナランチャの姿がないことに気付く。不穏な空気のなか、視線を持ち上げた仲間たちは絶句。なんとそこには、全身を鉄格子に串刺しにされた、ナランチャの無残な姿があった。

 すぐさま彼を手当てする仲間たちだが、時すでに遅し。主要キャラとして終盤まで共に歩んできたナランチャは、攻撃される瞬間すら描かれず、まさに一瞬で命を奪われてしまった。

 このまさかの事態に打ちひしがれる仲間たち。主人公のジョルノ・ジョバァーナも「あまりにも…あっけなさ…… すぎる……」と、力なく呟くしかなかった。

 

 ほかとは一線を画す能力で活躍する主要キャラたちが見せた、予想だにしないあっけない散り様。その経緯はさまざまだが、これからの活躍を期待していただけに突然の喪失感に呆然としてしまう視聴者も少なくはないだろう。

 彼らが死ななかったらどんな展開が待っていたのだろうか。思わず、「if」の展開に思いを巡らせてしまうのだ。

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