■みんなにある「一番星」!繊細な子どもたちが抱える悩み
教師に心を開けない子、整形したい子、援助交際する子、オカルト少年、恋に悩む子、自己主張できない子……。明るい雰囲気の裏で、4年3組の生徒はそれぞれ悩みを抱えていた。
10歳の子どもたちは、多くが身に起こる問題に対し、戦う術も逃げる術も持ち合わせていない。ゆえに、さまざまなことが引き金になって深く傷ついていく。ガー助はそんな子どもたちをありのまま受け止めて彼らの言葉に耳を傾け、徹底的に寄り添うのだ。そんなガー助に応えるように、子どもたちは真っ直ぐに成長していく。
その過程を描くエピソードの中でも、6話~7話『日本一のお弁当』は印象的な回だった。
これは、離婚で母を失い寂しさを抱え込む生徒・片瀬優子が弁当持参の写生大会を通じて心を解放する物語で、多くの名場面が生まれている。
たとえば、弁当を用意できない彼女にガー助が作った日本一のお弁当。日の丸弁当にみせかけて実はご飯の下におかずがあるサプライズ弁当だったが、優子は気づかず殺風景なお弁当にショックを受けガー助に怒りをぶつけている。徹夜で作ったガー助の愛に気づいてと思う反面、年頃の女子にとって見た目は重要ゆえ、優子の気持ちを考えると切ない。
その後の写生大会も名場面だ。奇抜な色の絵を周囲から批判されて傷つき、「私は心の病だって」と絵を川に投げ捨てた優子。怒ったガー助は川に飛び込んで絵を掴み、「一生懸命描いたんだろ? ちょっと人と違う絵を描いたからって歪んでるって決めつける奴のほうが歪んでるんだ!」「世界中を敵に回しても、先生はこの絵に100点満点つけてやる」と叫んだのだ。
実際、絵は母が着ていた服や好きだった色を使った母への愛に溢れたもので、ガー助は常識など取っ払い、優子を丸ごと肯定したのである。子どもの心を全力で守り抜いたガー助の姿は胸を打つ。こんな先生がいたら……と涙が溢れたという視聴者は筆者だけではないだろう。