
数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは――?
■ハードオフなら通常価格!? 『ドルアーガの塔』のレアバージョン

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第5回
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回ご紹介するのは、ファミリーコンピュータ用ソフトとして1985年に発売された、ナムコ『ドルアーガの塔』。現在、当店では、箱と取扱説明書の揃った完品を4400円(税込)で販売中です。
この『ドルアーガの塔』には、ふたつのバージョンが確認されています。ナムコのファミコンソフト“ナムコット”の外箱には、当初バーコードはなかったのですが、ある時期から印刷されるようになりました。なので、それ以降に再販されたものには、箱の側面にバーコードが付いています。
現在、今当店でふたつのバージョンが揃っているのは、1986年発売の『スーパーチャイニーズ』(ナムコ)。ゲームの内容も含めて、バーコード以外に違いはありません。完品のバーコードなしを7700円(税込)、バーコードありを6050円(税込)で販売していますが、価格の差はパッケージの違いではなく、買取時期など別の要因だと思います。売りに来ていただいたときに当店の在庫数が多いと、買取価格は低くなってしまい、それが値付けにも影響しますからね。
ところが、『ドルアーガの塔』の再販品の場合は、バーコード以外にも違いがあるバージョンが存在します。バーコードの隣に書かれたタイトルが「ドルアーガーの塔」になっているんです。そう、音引き(ー)がひとつ多いんですね。デザインを変更した際に、間違えちゃったんでしょうか?
数が少ないうえに誤植もあるため、オークションサイトなどでは高値で取り引きされているようです。当店では買い取ったことがないので、値段を検討したことがありません。ただ、ハードオフでは過去、違いに気付かず通常版と同じ価格で販売していたこともあったようで、そんな投稿をSNSで見た記憶があります。マニアにとっては“ハードオフあるある”らしいです(笑)。