■ファミコン以前から存在した任天堂の『光線銃シリーズ』

 実は、『光線銃シリーズ』は、ファミコン以前から任天堂が展開していた玩具です。開発には、ファミコンの開発責任者だった上村雅之さんも関わっていたそうです。玩具のシリーズのひとつには、1977年に発売された『光線銃 ダックハント』という商品があって、これがファミコンの『ダックハント』につながっているんでしょうね。

 1977年版は、壁やスクリーンに映像を投影するプロジェクター方式で、パタパタ飛んでいるダックをショットガン型のコントローラーで狙います。この実物をゲームコレクターの友人が持っていて、とあるイベントで展示したことがあるんです。そのイベントで講演を行った上村さんが、それを見てとても喜んでいました。私もイベントをお手伝いしていて、上村さんとあれこれお話することができました。嬉しかったですね。

 私自身は、ファミコン用の『ガン』を持っています。1990年代になって、テクノスジャパンに入社してから、趣味としてそれこそハードオフで買ったんじゃなかったかな。たしか1000円くらいだった記憶があります。

 光線銃のコントローラーには、ガジェットとしての魅力も感じていました。モデルガンのような、この形がいいですよね。今では自主規制で、このようにリアルな拳銃型のデザインでは絶対に出せないと思います。当時も、アメリカのNES用のガンコントローラーは、もっとおもちゃっぽい見た目でした。銃社会ですから、本物の銃と見間違えるような物は、当時からしっかり規制されていたんでしょうね。

 

※ソフトの値段や状態などは2025年4月のものです。

【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。

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