
数万円から数十万円の値段がつくこともある「レトロゲーム」の世界。そんなソフトがズラリと揃う『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長にして、自身も大のゲームコレクターである大竹剛氏が、毎回1本のソフトを語るこの連載。今回、ショーケースに並ぶソフトの中から取り上げるのは――?
■見たことある?ファミコン用の“光線銃”

ハードオフ大竹店長の「レトロゲームちょっといい話」第4回
『ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店』の店長、大竹剛です。今回ご紹介するのは、任天堂の『ファミリーコンピュータ専用 光線銃シリーズ』。拳銃型コントローラーの『ガン』と、専用ソフト第1弾の『ワイルドガンマン』は、1984年2月に発売されました。その後『ダックハント』、『ホーガンズアレイ』と、計3本の専用ソフトがリリースされています。
現在、当店では、『ガン』が箱に傷みあり・取扱説明書なしの状態で13200円(税込)、ガンコントローラーのみで8800円(税込)となっています。ソフトのほうは、箱と取扱説明書の揃った完品の『ワイルドガンマン』が4950円(税込)、『ダックハント』が4400円(税込)、『ホーガンズアレイ』が5500円(税込)ですね。
ちなみに発売当時、『ガン』は3000円、対応ソフトは各3800円で売られていましたので、現在の価格を見れば、今は銃のほうが貴重と言えるかもしれません。
バリエーションとして、ガンコントローラーとホルスターと『ワイルドガンマン』がセットになった、『ワイルドガンマンセット』というのも存在します。『ガン』の倍ほどある大きな外箱に、ホルスターに手を掛けたガンマンの後ろ姿が描かれた、ゴージャスなバージョン。当店ではまだ扱ったことのない、超レアな品です。
■注意!ブラウン管テレビでしか遊べません
遊び方なんですが、ファミコン本体の前面にある「エキスパンドコネクタ」という拡張端子に、ガンコントローラーを接続します。で、たとえば『ダックハント』なら、画面に出てくるダックに狙いを定めて撃つと、仕留めることができるといった具合です。『ワイルドガンマン』では決闘の相手、『ホーガンズアレイ』では射撃訓練用のパネルがターゲットです。
ガンコントローラーのトリガーを引くと、画面内のターゲットが一瞬白く光る仕組みになっているそうなんですが、速すぎて目では認識できません。その光をガンコントローラー側のセンサーが感知して、命中判定を行っているんです。
ただ、注意点がありまして、『光線銃シリーズ』ってブラウン管テレビでしか遊べないんですよ。
どうやら、ブラウン管テレビが走査線という技術によって映像を表示していること、液晶テレビのような遅延が発生しないこと、ガンコントローラーがブラウン管テレビの光を正しく認識できるよう調整されていることなどの理由によるようですが……すみません、詳しくはわかりません(笑)。
余談ですが、昨年の東京ゲームショウで、ブラウン管時代に人気を博した『タイムクライシス』(ナムコ)というガンシューティングを、液晶テレビにも対応させたものが出展されていました(※)。以前にも、液晶テレビの上部にLEDマーカーを設置して認識させるガンコントローラーなどはありましたが、今回出展されたものは、ガンコントローラーに搭載されたAIが銃の向きなどを認識するのだとか。こんな新しいものが出てくる時代なんですね!
(※『G‘AIM’E タイムクライシス』(達成電器)。11月中旬発売予定)