■シロウズが関わりそうな「不穏すぎる計画」
シロウズが、これから向かうのは「イオマグヌッソの建設現場」とのこと。これは第7話で、ジオンのキシリア・ザビが直接サイド6まで赴き、ペルガミノ大統領に出資を求めていた計画である。
その際に提出された資料に書かれた言葉を直訳すると、「地球環境改善計画に向けた太陽光増幅システム」となり、会談に同席したカムラン大統領補佐官は「荒廃した地球環境の修復が目的の“ソーラレイ”という趣旨には賛同する」などと話していた。
しかし、初代『機動戦士ガンダム』における「ソーラレイ」といえば、コロニーそのものを砲身とする巨大なレーザー砲である。一撃で地球連邦軍の艦隊に大打撃を与えた、実に恐ろしい兵器だった。
ソーラレイによる攻撃を目撃したアムロ・レイは、「光と人の渦が溶けていく。あれは憎しみの光だ。あれは光らせてはいけないんだ」と恐ろしさを語ったほどだ。
そして『ジークアクス』の第8話で、ギレン派のスパイだったアサーヴは、「イオマグヌッソはジオンと人類を滅ぼす悪魔の機械」と表現している。それが事実なら、イオマグヌッソはソーラレイと同等の恐ろしい兵器である可能性があり、「地球環境改善のため」というセリフは建前のようにしか思えない。
この不穏な計画に深く関わりそうなシロウズの正体がもしもシャアだとすれば、その目的はいったい何なのだろうか。
■新たなガンダムと計画の関連性
ティルザ・レオーニが「目処がたった」とシロウズに語った「ガンダム・フレド」という機体名。これはニャアンが乗るジークアクス2号機「ジフレド」と同じものと思われる。
ジフレドのパイロットを暗殺していたギレン派のスパイであるミゲルは、「ジフレドが作られた本当の目的を知れば誰だってこうするだろう」「大切な仲間を“ディアブロ”にするわけにはいかない」と明かした。
「ディアブロ」は、スペイン語などで「悪魔」を意味する言葉。また前述の通り、イオマヌグッソも「悪魔の機械」と呼ばれていた。このふたつに加えて、「シャロンの薔薇」にも関わりを持ちそうなシロウズ。このシャアにそっくりな青年の正体とその目的こそが、物語の重要な鍵を握っているのかもしれない。
ちなみに初代『ガンダム』では、アムロの乗るガンダムはジオン軍から「白い悪魔」と呼ばれ、恐れられていた。『ジークアクス』の世界における「悪魔」とは、どのような存在なのだろうか……。