■『金田一少年の事件簿N(neo)』の高遠遙一役・成宮寛貴
山田涼介さんが4代目の金田一を演じ、スペシャルドラマと連続ドラマが制作されている『金田一少年の事件簿N(neo)』。この作品は、原作で金田一の宿敵として登場する高遠遙一の活躍も見どころだ。この高遠は犯罪プロデューサーとして数多くの事件を手掛け、金田一を挑発し、真っ向から勝負を挑んでくる。
あの金田一ですら出し抜かれることも多く、冷酷、クール、サディスティックという金田一とは正反対の一面を持ちながら、時に感傷的な一面も見せる複雑なキャラクターだった。
高遠がドラマ版に登場するのはかなりレアであり、山田版金田一では宿敵として存在感を放っている。彼を演じた成宮寛貴さんは、低く抑えた声や起伏に乏しい表情などで高遠の人間性を表現していた。そのクールな演技は、殺人を許さないアツさを見せる金田一と対照的に映る。
成宮さんのキャスティングに関しては、原作者である天樹征丸さんが大きく関わっている。天樹さんは高遠を「悪役で残酷で最低の殺人者」と語りながらも、「彼が演じれば視聴者は嫌いになりきれない」、「高遠はナリ(成宮さん)しかいない」と、成宮さんの高遠役に太鼓判を押している。
高遠は原作でもどこか憎めないキャラだったが、ドラマ版では成宮さんの演技によってそうした部分がより強調されている。時折寂しげな表情を浮かべる場面では、一瞬の人間味が感じられ、そのギャップに惹きつけられてしまった。成宮さんの冷静な演技と、時に見せるセンチメンタルな表情は絶妙で、「高遠にはナリしかいない」という天樹さんの気持ちが分かるほどのはまり役だった。
実写版金田一一は5代目まで存在し、登場キャラクターも演じた俳優も膨大だ。その中でも犯人役のキャラは強い印象を残し、記憶に刻まれる名演技を見せることも多い。
水川さんや遠藤さんのような瑞々しい演技、成宮さんのような圧巻の再現度などを見ると、主要キャラはもちろん、犯人役からも目が離せないことが分かるだろう。