
漫画やアニメの実写化作品は、近年、立派な人気ジャンルへと成長している。映像技術の進化により、かつては漫画やアニメでしか表現できなかった描写を再現できるようになったことも大きいだろう。
人気作品を実写化するうえで重要な要素のひとつが、個性的な登場人物を俳優がどのように演じるかだ。中には普段のイメージを覆すほど大胆なキャラクターを全力で演じる俳優も存在し、そのギャップに驚かされることも多い。今回はそんな、実写化作品で“危険な演技”を披露したイケメン俳優たちを紹介していこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■全裸を披露しまくり『ホームルーム』の山田裕貴
『ホームルーム』は、あまりにも過激な内容から実写化は不可能と思われていた。しかし、なんとイケメン俳優・山田裕貴さんがその実写版で主演を務め、原作に忠実な“危険すぎる演技”を披露している。
本作は、登場人物が全員「ヤバい」と表現せざるをえないくらい、クセの強いキャラクターだらけだ。その中でも突出しているのが、主人公である「ラブリン」こと愛田凛太郎だろう。彼は表向き人気の高いイケメン教師だが、裏では純粋無垢な生徒・桜井幸子にストーカー行為をするというとんでもない男である。
愛田はとにかく全裸のシーンが多く、「山田さんはなぜこの仕事を受けたんだろう?」と驚いてしまうくらい、イメージからはかけ離れたキャラだった。しかし、桜井のベッドの下に一糸まとわぬ姿で潜む衝撃シーンをはじめ、山田さんは原作に忠実な演技をしているから驚きだ。
特に、服を着ていない姿のまま屋上で「桜井を不幸にしていいのはー!俺だけだー!」と歪んだ愛を叫ぶ姿は、シュールでありながら恐怖すら感じさせる。映っているのは後ろ姿や上半身部分だけとはいえ、下半身まで丸出しの愛田を山田さんが全力で演じているというだけで、ぶっ飛んだドラマだった。
山田さんはインタビューで「なぜ愛田が歪んだ人間になってしまったのか? 観ている人に想像してもらえるように意識しました」と語っており、愛田の奇行を面白おかしく演じるだけでなく、そこにメッセージ性を込めていたとも明かしている。キャスティング発表の際には、「変態性が世にばれてしまうときがきてしまいました(笑)」と語るなど、全身全霊で愛田を演じていたようだ。
まさに捨て身の演技で愛田の変態性を完全再現した山田さんの演技は、一見の価値ありである。
■共演者も「変態」と断言!?『東京喰種』の月山役の松田翔太
実写映画『東京喰種 トーキョーグール【S】』は、実写映画第1弾の続編として制作された作品だ。原作漫画はかなり攻めたテーマ性に加え、キャラクターの独自性によって世界中にファンを生み出した。実写映画ではこうしたキャラクターの再現に力を入れていて、本作ではついに作中屈指の人気キャラ・月山習が登場した。
月山は人間を食べる喰種の中でも「美食家〈グルメ〉」として知られており、美食のためには手段を選ばない危険な男である。かなりクセが強いキャラだが、実写版で彼を演じた松田翔太さんはその高い再現度で話題を呼んだ。主人公・金木研を演じた窪田正孝さんも、「翔太さんがすごいことになっています」と、その驚きを語っている。
金木に異常な執着ぶりを見せ、作中で「変態」とも称される月山。そんな彼を演じるにあたって、松田さんは「僕、今回、恋愛映画だと思って、金木君を食べたいと、一目惚れから愛に変わるまでを演じました」と“変態的”なアプローチをしていたことを明かしている。
実際、作中で松田さん演じる月山が金木の血の付いたハンカチを嗅ぎ、「新しいごちそうの発見は、星の発見以上のモノだ!!!!」と震えて歓喜する姿には、不気味さを覚えるあまり鳥肌が立ってしまった。
他にも、金木を手刀で刺し、その血を舐めて恍惚とする月山を完全再現。共演者からも「変態」と断言されるほどの怪演は、この作品を見た後には否が応でも記憶に刻み込まれてしまう。