「まさかの悲報に泣いた…」期待度は激高…でも開発中止になった「幻のビッグタイトル」  『Star Wars 1313』『SILENT HILLS』も…の画像
開発中止となったXbox One『Scalebound』(マイクロソフト) (C) Microsoft

 ゲームの世界では、多くの野心的なプロジェクトが産声をあげるものの、そのすべてが世に出るわけではない。なかには、発売前の映像でファンの心を強く惹きつけながらも、残念ながら開発中止となりお蔵入りしてしまったタイトルも存在する。時が経ってもなお「どんなゲームだったのだろう?」と、思いを馳せてしまうプレイヤーもいるのではないだろうか。

 今回は、発売されなかったことが悔やまれる期待作たちについて見ていこう。

■外伝作品の主人公はあの人気キャラクター『Star Wars 1313』

 映画『スター・ウォーズ』は、ジョージ・ルーカス監督が生み出した伝説的SF作品で、その人気の高さからさまざまなハードでゲーム化されてきた。

 なかでも、2012年に「LucasArts Entertainment Conpany」が発表した『Star Wars 1313』は、原作にも登場する人気キャラクターが主役を務めることで話題を呼んだ作品だ。

 タイトル発表当初、主人公は名もなきバウンティハンターとされていたが、実は早い段階で主役が入れ替わることが明らかとなった。そんな本作の主役は、原作にも登場するバウンティハンターであるボバ・フェットである。

 公開されたコンセプトアートから察するに、どうやら本作は原作のエピソード3と4の間の時間軸で、若きボバ・フェットが凄腕のバウンティハンターに成長するまでの過程を描いた物語だったようだ。

 意外な主役キャラクターのチョイスもさることながら、やはりファンが注目したのはプロモーションムービーの圧倒的な映像美だろう。初期ムービーでは、炎に包まれ落下していく宇宙船から脱出すべく、足場を次々と飛び移っていく躍動感あふれるシーンが描かれていた。

 その凄まじい映像美は一瞬でファンの心を鷲づかみにしてしまったが、なんと開発元の会社が閉鎖されるというまさかの不幸に見舞われ、開発中止が発表されてしまった。

 原作で活躍するジェダイたちではなく、あえてバウンティハンターという闇社会の存在にフォーカスを当てた意欲作だっただけに、発売を心待ちにしていたファンも多かったはずである。

■ドラゴンと人が織りなす圧巻のファンタジー作品…『Scalebound』

 『デビルメイクライ』『ビューティフル ジョー』『大神』『ベヨネッタ』など、数々の名作を世に送り出してきたゲームデザイナーといえば、プラチナゲームズで今もなお活躍を続ける神谷英樹さんである。

 そんな神谷さんが開発を続けていた期待作といえば、「Microsoft」と手を組み、Xbox OneおよびWindows10での展開が予定されていた『Scalebound』だろう。

 本作は、ドラゴンと共感能力を持つ主人公が、相棒のドラゴンとともにさまざまな戦いを乗り越えていくファンタジー作品である。

 プロモーションムービーでは巨大な木々が生い茂る谷を飛ぶドラゴンと、それを颯爽と乗りこなす主人公の姿が堂々と描かれていた。岩や大木などの自然物から、剣や盾などの金属、はては鱗をまとうドラゴンの肉体に至るまで、細部にわたる映像美が際立っていた。

 そのまま場面は敵兵との戦いになだれ込んでいくのだが、バトルシーンでもリアルな映像表現は健在であり、剣を片手に戦う主人公のアクションや、ファンタジーでありながらヘッドホンに似たアイテムが登場するなど、その独自の世界観にぐっと惹きつけられてしまう。

 多大な期待を集めていたアクションRPGだったが、2017年に「Microsoft Studios」から開発中止が正式発表され、まさかの事態に多くのゲーマーが悲しむこととなった。

 もし発売されていたら、どんな大冒険が待っていたのか……その先に描かれたであろう壮大な世界観に思いを馳せずにはいられない一作である。 

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