■換気扇を汚したり、調味料の容器をへこませたりしてリアル感を出す
――中途採用のみだからこそ、"好き”の純度の高い社員さんが多いんですね。いま目の前のテーブルに並べていただいていますが、この細かさ、たまりませんね……。
岡本:これらは「昭和レトロキッチン」(2023年9月発売)と「ほっと幸せ、わが家の味」(同)、「今日はたのしいひなまつり」(2023年12月発売/販売終了)、「だんらんこたつ」(2023年11月発売)、「猫田さんの日常」(2024年5月発売)ですね。



―長尾さんが企画した商品のこだわりポイントはどこでしょう。
長尾:たとえば、「ほっと~」は料理モノで定番のテーマではありますが、いま出すからには昔出したときとは違いを出さなきゃいけない。そこで料理途中の風景を再現したところがこだわりです。
――納豆のパックから納豆をリフトしていますもんね。
長尾:そういうところですね。過去にも納豆パックはあったので、今回は持ち上げている造形にしました。「これをミニチュアにするんだ……」と思うようなものを入れたいと思っているんですよね。ストーリー性や具体性を重視したいタイプなので、サンマを焼いている途中だったり、だし巻きたまごだけではなく卵の殻やサンマの骨があったり。
岡本:卵の殻やサンマの骨を三角コーナーに入れると、シンクに汚さというか生活感が生まれるんです。

――あ、ほんとだ! すごい、感動すらしますね……。
長尾:ケチャップがベコッとへこんでいたり。「昭和~」の換気扇も、元々は綺麗な状態で出す予定でした。でも、開発部で回覧をしたときに「換気扇は汚れていたほうがいいんじゃない?」という意見をもらいまして。それでやってみたら、お客さまからも好評で、SNSでも「汚れているのがいい!」という声を見かけました。