
『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)が2025年に放送35周年を迎える。それを記念し、5月31日に土曜プレミアムにて『世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~』が放送されることが発表され、ファンの間で大きな話題を集めた。
今回の特番は、これまでの『世にも奇妙な物語』の中から、ストーリーテラーのタモリさんが選ぶ珠玉の名作5本を放送するというもの。人気の高い過去エピソードは数多く、Xでは1991年のエピソードである「ズンドコベロンチョ」がトレンド入りを果たした。
『世にも奇妙な物語』は、1990年4月にレギュラードラマとして放送をスタートし、現在は特別編という形で年に2回放送されている。これまで放送されたストーリーは577本にものぼる。
同番組ではホラーやサスペンス、SF、シュールコメディ、感動ものなど様々な「奇妙な物語」が放送されており、主人公が不幸な目にあうバッドエンド作品もかなり多い。
中には、物語の主人公だけではなく、視聴者を奇妙な世界へ誘う立場であるストーリーテラーであるタモリさん自身が、物語の主人公同様、酷い目にあってしまうことも、まれにある。
■プロローグやエピローグで描かれる「奇妙」のおまけ
たとえば、1991年に放送された『忘れられたメス』。これは、医療ミスを他人になすりつけようとする医者が痛い目に遭う話だが、この回のプロローグでは暗闇の中、仰向けになっているタモリさんが登場する。
タモリさんはそのまま「皆さんこんばんは。私は今手術中です」と普通に話をはじめ、ときおり「痛い!」と叫ぶ。開腹部は発光していてよく見えないが、どうやら麻酔なしで手術をしているとのこと。最後には医者を呼ぶも返事がなく、そのまま放置されてしまうという展開だ。「なんか体の中残してますよ!」の訴えも虚しく、そのまま「手術中」のライトが消えて『忘れられたメス』のタイトルが表示される。この状況は本編のストーリーともリンクしているのだが、全くもってさんざんな光景である。
続いては同じく1991年に放送された、ケント・ギルバートさんと竹中直人さんが主演を務めた『切腹都市(ハラキリシティー)』。日本の文化を誤解する欧米人の様子を面白おかしく皮肉ったような、それでいてどこか教訓じみたものを感じるストーリーだ。
エピローグでは、外国の人にとって日本はとても奇妙な国に見えるようだと語るタモリさんが、いきなり侍に首をはねられ、その首がなぜか空高く飛んでいってしまう。本編に違わず唐突でエキセントリックな展開に驚かされた。