■放送初期にはサングラスを外した貴重な姿も
また、1997年に放送された草なぎ剛さん主演の『無実の男』でも、物語の最後で大変な目に遭っている。タモリさんが歩いていると、自分の顔の指名手配のビラがたくさん貼られており、通行人たちから犯人ではないかと怪しまれるというものだ。
必死に罪を否定するものの、ドラマ本編の通りならば訴えも虚しくこのままでは逮捕されてしまうだろう。普段は物語を紹介するというスタンスのタモリさんだが、このようにエピソードのエピローグ的に、恐怖を演出する役目を担うこともあるのだ。
また、放送初期では、物語のプロローグやエピローグ、アバンストーリー以外にも、さりげなく本編にカメオ出演することがあったことを覚えているファンも多いのではないだろうか。
たとえば1991年放送の『コレクター』は、タモリさんが本人役として登場しているエピソード。物語の序盤で有名人のサイン集めが趣味という主人公に見つかり、無理やりサインを書かされ(しかも名前の前に「大好きな」とつけて、ハートマークもちゃんと入れて、とさんざん要求される)、拒否しているにも関わらず無理やり写真も撮られてしまう。
このほかの回でもナレーションや、中華料理店の店長、レジに並ぶ客、工事現場で働く作業員、廃校の校長先生の肖像画など、ちょっとした「タモリを探せ」状態が多かった。これらは“サングラス姿ではない”タモリを拝める貴重な機会でもあり、当時『笑っていいとも!』(フジテレビ系)や『ミュージックステーション』(テレビ朝日系)でのタモリさんしか知らなかった小中学生の視聴者は驚いたに違いない。
『世にも』というドラマにおいて、その象徴ともいえるタモリさんの存在は、これからもなくてはならないもの。『世にも奇妙な物語35周年SP~伝説の名作 一夜限りの復活編~』では、どんな物語が選ばれるのか楽しみに待ちたい。