『ドラゴンボール』ヤムチャにブルー将軍、ヤジロベーも…悟空が勝てていない“意外な相手”の画像
『DRAGON BALL』 #18 [DVD] ©バードスタジオ/集英社・フジテレビ・東映アニメーション

 鳥山明さんによる『ドラゴンボール』(集英社)は、世代を超えて愛される作品のひとつである。数多くの人が主人公・孫悟空の成長劇に魅せられ、強い敵をどうやって倒すのかワクワクさせられたはずだ。

 悟空は最初から強かったわけではない。亀仙人(武天老師)との出会いをきっかけに、修行と戦いを繰り返すことで強くなっていった。そして、最終的には宇宙を舞台に戦いを繰り広げるまでの強さを得る。

 そんな悟空のこれまでの戦いを振り返ると、圧勝というよりも僅差の勝利がほとんどだ。しかも負けていたり勝負がついていなかったりするものもある。さらに、「意外な相手」に勝てていないケースもあるのだ。

 

※本記事には作品の内容を含みます 

■空腹状態のせいで勝てなかった?ヤムチャ

  驚いてしまう人もいるかもしれないが、悟空はヤムチャに勝っていない。本作の中では、ヤムチャはどちらかというと弱いイメージがある存在だ。

 しかし、悟空はブルマとともにドラゴンボールを探す旅に出たばかりの頃、突如現れた「荒野の悪党」ことヤムチャと対戦した時、劣勢に追い込まれて勝負がつかなかった。

 その一番の理由は空腹状態だろう。悟空は空腹時だと満腹時に比べて実力の半分も出せない。そのため、「狼牙風風拳」を食らって押されてしまっていた。とはいえ、翌日ヤムチャが襲撃してきた時には満腹だったため、蹴りを決めて退散させているのだが……。

 当時の悟空は自己流の戦い方だったので弱点も多く、おまけに尻尾を強く掴まれると力が抜けてしまう。そういったところから付け入る隙がいくらでもあった。そのため、苦戦することも多かったのだ。

 ヤムチャは当初敵として登場したが、後に亀仙流の仲間としてともに戦う間柄となり、悟空と戦う機会はなくなった。さらに、悟空たちがとんでもない強さになっていくのを側で見ていたのもあってか、終盤では戦うことを諦めてしまう。

 筆者としては、悟空との実力差が出る前に、天下一武道会などで一度は戦ってほしかった。クリリンとは同門対決が実現しているので、やろうと思えばできたとも思う。悟空ならきっと戦いながらヤムチャの力を引き出してくれただろうから、残念でならない。

■超能力に苦戦させられたブルー将軍

 次に紹介したいのがブルー将軍だ。ブルー将軍は、レッドリボン軍の中でも最強と思われる実力者だ。その理由は肉体的な強さに加えて、相手の動きを封じる超能力を持っているからである。

 悟空とは何度か対決をする機会があったが、その度に悟空は超能力によって動きを封じられ何もできなくなってしまっていた。

 普通に戦えば勝てる相手かもしれないが、なかなかそれをさせてくれないのがブルー将軍の戦いのうまさでもある。そして、ペンギン村での戦いで悟空は、動きを封じられた後に木で串刺しにされそうになった。

 その時はアラレちゃんが割って入り、ブルー将軍をキックや頭突きで吹き飛ばしてくれたので、悟空は無事助かることになる。もしそれがなかったら完全に敗北、それどころか命さえ危なかっただろう。

 後に餃子(チャオズ)もブルー将軍のように超能力を披露しているが、実力差のあるナッパには効かないことが判明する。それを踏まえれば、成長した悟空にはブルー将軍の超能力は効果がないかもしれない。

 あの頃の悟空はだまし討ちや卑怯な手に弱かったので、体だけではなく頭脳の成長も必要だったと思う。

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