■「相殺」に「二段ジャンプ」も…当時、斬新に感じた戦闘システム!

 『あすか120%マキシマ』から本シリーズにのめり込んでいた筆者が、斬新に感じたシステムとして挙げたいのが「相殺」システムです。通常の対戦格闘ゲームでは、飛び道具に対して飛び道具を放って相殺することはありますが、『あすか120%』では飛び道具に対して通常攻撃を当てて相殺したり、通常攻撃に対して通常攻撃を当てて相殺したりすることが可能でした。

 もちろん素直にガードしたほうが有利になる場面もありますが、PCエンジン版以降のシリーズでは、相殺時に独特の効果音がつき、とくにプレイステーション版の「カキーン!」という気持ちいい音が聴きたくて、ムダに相殺合戦を楽しんだこともありました。

 そして、もうひとつ先鋭的なシステムとして「2段ジャンプ」の存在があります。『あすか120%』ではジャンプ中に攻撃を出さなければ、空中でもう一度ジャンプすることができるのです。

 この2段ジャンプを駆使して相手の頭上を飛び越えたり、対空攻撃のタイミングを外して回避したりすることも可能。のちに「空中ガード」も追加されたことで、ジャンプを起点とする動きはさらに奥行きが出て、戦略にも深みが増しました。

■貪欲に他作品のシステムを取り込んで進化…!?

 登場時から画期的な格闘ゲームだった『あすか120%』ですが、さまざまなゲームハードに移植されていきながら、当時の対戦格闘ゲームの目立った要素を次々と吸収していきます。

 たとえばPCエンジン版の『マキシマ』には相手の攻撃を避ける「すかし」が追加され、防御時に「ガード」「相殺」に次ぐ第3の選択肢が生まれました。また画面端や地面に相手を吹っ飛ばす「叩きつけ攻撃」や、それらによるダウンを回避して反撃態勢をとる「受け身」といったシステムも実装されます。

 プレイステーション版『スペシャル』では前ダッシュからの連携や相手の攻撃を相殺しながら反撃する「カウンターアタック」、そして一発逆転が狙える「最終奥義」なども追加。

 そのほかにも、当たり前のように空中で必殺技が使えたり、ガードの見極めが難しい「中段攻撃」がいち早く使えたりと、貪欲にいろんな格闘ゲームのシステムが詰め込まれていきました。

 そして1999年発売のWindows版『あすか120%リターン BURNING Fest.』以降、新作が途絶えていた『あすか120%』。あれから26年が経ち、その最新作『あすか120%エクサレント』がアーケードゲームとして復活するのを喜んでいるファンは多いはず。ゲームセンターでの正式稼働が予定されている2025年夏が待ち遠しいかぎりです。

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