■優しい人々に支えられるきり丸!「きり丸&土井先生・中在家長次」
明るい性格ながら、戦で家族を失い天涯孤独というヘビーな背景を持つきり丸。担任の土井先生は、そんなきり丸を心配して長期休暇になると彼を自宅に住まわせている。一緒にバイトをしたり主婦のごとく節約家事に勤しむきり丸と揉めたりと、もはや親子のような関係だ。
そんな二人の絆の強さが描かれたのが、神回と言われる『土井先生ときり丸の段』。このとき土井先生は、きり丸が自分の家を「我が家」と言うと嬉しそうに微笑み、きり丸からの「なぜ自分を気にかけてくれるのか」の問いに「同じような育ち方をしているからかな」と答えている。
自身も幼少期に家族を皆殺しにされているため、きり丸には生徒以上の感情を抱いているのだろう。辛い過去を持つ二人には、末永く幸せに暮らしてほしいものだ。
2022年のベストコンビ投票ではグループごとにそれぞれの相手を選ぶ形でアンケートが実施され、きり丸の相手として1位に選ばれたのが中在家長次。土井先生が父ならば、長次は兄といったところであろうか。彼もまた、優しくきり丸を見守る描写が多々あるキャラクターだ。
長次は、寡黙&強面ゆえに生徒から「沈黙の生き字引」などと呼ばれる一方で、時には泣いてしまうこともあるほど心が優しく繊細な感性の持ち主。作中では、きり丸のバイトに絡んで登場し、先輩ながらサバサバしている彼に振り回されている。
長次がきり丸への優しさを見せた注目回が『戦国南蛮コレクションの段』だ。このエピソードは、忍たまたちが混合サバイバルオリエンテーリングに挑むというもの。きり丸と組んでいた長次は、いつも以上にやる気を出し優勝を手にする。
そして、学費半年免除の優勝賞品に喜ぶきり丸に、「これで私の分と合わせて1年分の学費が免除になる」と自身の半年分の免除権をプレゼントするのだった。きり丸は感動して大泣きし、視聴者も一緒に目頭を熱くした名シーンである。