
昨年12月に公開され、興行収入30億円を超えるロングランヒットを記録した映画『劇場版 ドクタケ忍者隊最強の軍師』。同作を見て、アニメ『忍たま乱太郎』の世界にハマったという人も多いのではないだろうか。
この劇場版では土井先生と生徒たちの絆が描かれていたが、『忍たま』はテレビシリーズにおいても、キャラ間の友情や信頼関係がしばしばフォーカスされてきた。ゆえに、『忍たま』ファンには“推しコンビ”がいるという人も多い。
公式では、そんなファンの気持ちに応えるように大きな周年の記念企画として「ベストコンビ投票」の視聴者アンケートが実施されている。乱太郎ら主要キャラを軸に各々が「この組み合わせは尊い」と思うキャラを選出し、上位5組のコンビの特別エピソードが放送された。“推しコンビ”それぞれの名作エピソードがあるのも、放送開始から30年以上の歴史を持つ長寿アニメである『忍たま』ならではのものだ。
■年齢を超えた友情にほっこり「鶴町伏木蔵&雑渡昆奈門」
たとえば、親子ほどの年齢差と身長差がある、一年ろ組の鶴町伏木蔵とタソガレドキ城忍者隊の組頭・雑渡昆奈門も名コンビのひとつ。二人が初めて出会ったのは『ざっとこんなもんの段』『借りは返すの段』だ。
全身に包帯をグルグル巻いたコワモテの雑渡さんと、まだ子どもの伏木蔵。このときの伏木蔵はまだ雑渡さんを警戒していたが、後日『首あり地蔵の段』で雑炊入りの竹筒をもらったあたりから心を開いたのか、気づけば二人は誰よりも仲良しになっていた。親しくなる過程が具体的に描かれたわけではなく、“いつの間にか仲が良い”というのがこの二人の魅力だ。
スリルとサスペンス好きな伏木蔵にとって、実力派忍者の雑渡さんは魅力的に映り、「子どもというのは可能性だから」というほど心優しい雑渡さんもまた、自分に懐く伏木蔵をかわいく思ったのだろう。
以来、伏木蔵が雑渡さんの膝に座っていたり抱っこされていたりと仲睦まじい姿を見せる二人。伏木蔵に至っては雑渡ギニョールや雑渡人形も持っており、「どれだけ好きなの?」とキュンとしてしまう。
二人は過去の投票企画でベストコンビ1位となったことがあり、それを受けて彼らの絆がより強く描かれた『雑渡昆奈門を守れ!の段』が放送されている。これは、傷だらけの雑渡さんを保健委員である伏木蔵が介抱するというストーリーだ。
再び戦に戻ろうとする雑渡さんを必死に止め彼を守ろうとする伏木蔵の優しさや、伏木蔵の献身的なケアに「おかげですっかりよくなった。これはお礼だ」と竹とんぼで感謝を示す雑渡さんの愛にグッとくる、素敵なエピソードとなっている。