■伝説の傭兵は実はドラキュラが苦手?『メタルギアソリッド3 スネークイーター』

 任務を遂行するため、さまざまな手段で身を隠しながら進むステルスアクションが特徴の作品といえば、コナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)の『メタルギアソリッド』シリーズだろう。

 なかでも、2004年にPS2用ソフトとして登場した『メタルギアソリッド3 スネークイーター』は、2025年にリメイク版が発表されたほどの評価の高い作品。

 そんな『3』にも、思いがけないミニゲームが実装されていた。それが、両手に剣を持った男性を操り、群がってくる怪物を倒していく『ガイサベージ』だ。

 倒した人数に応じて主人公が怪物化し強力な攻撃を繰り出せるようになったり、相手の体が吹き飛ぶゴア表現があったりと、本編とはかなりテイストの違う世界観となっている。

 肝心の遊ぶ条件だが、本編で収容所の独房にスネークが投獄されたタイミングでセーブをし、ゲームをロードするとこのミニゲームが始まる。

 しかもこれ、実はスネークが見ている悪夢を舞台としたものだった。直前のセーブの会話では彼が「ドラキュラ」を恐れていることが示唆されており、彼の恐怖心がこの殺伐とした世界観を生み出した、という設定なのだ。完全無欠の傭兵・スネークの意外な弱点が垣間見える、興味深いミニゲームといえるだろう。

 ちなみにこのミニゲームについて、当時この作品を手がけた小島秀夫監督がSNSでコメントを残している。本来ならば同社の名作シューティングゲーム『グラディウス』を想定していたようなのだが、さまざまな事情から断念し、『ガイサベージ』を採用したのだという。

 

 ゲームの合間に楽しめるミニゲームだが、今回紹介したもののように特定の手順を踏まないとプレイできないとなれば、ぜひとも見つけて遊んでみたいもの。ゲームによっては一度しかプレイできないものもあるため、まさに知る人ぞ知るレアな存在だと言えるかもしれない。

 本編とは関係ないお楽しみ要素だが、それぞれのしっかりとした出来栄えから、開発スタッフの遊び心が存分に伝わってくる。なかには、本編よりもハマってしまった……というプレイヤーもいるかもしれない。

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