「気づかなかった…」名作タイトルにひっそり実装…プレイヤーを驚かせた「隠しミニゲーム」の数々 『ファイナルファンタジーIX』『蚊』『メタルギアソリッド3』…の画像
『ファイナルファンタジーIX』タイトル画面(Steam版より)© 2000, 2019 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.LOGO ILLUSTRATION:© 2000 YOSHITAKA AMANO

 ゲーム作品のなかには、本編とはまったく関係ない「ミニゲーム」が収録されているものも少なくない。いわゆる“おまけ”的な感覚で気軽にできるものもあれば、思いがけないクオリティとボリュームで作られているものもあり、プレイヤーにとってはうれしいプレゼントといったところかもしれない。

 なかには、一種の「隠し要素」のように仕込まれたミニゲームもあった。本編を普通に遊んでいるだけでは素通りしてしまうケースもあり、見つけた人だけが楽しめる「ご褒美」的存在ともいえるものだった。

 今回はそんな、もはや遊ぶこと自体が裏技ともいえる「隠しミニゲーム」について見ていこう。

■クリア後に遊べるまさかのカードゲーム『ファイナルファンタジーIX』

 数々の名作RPGが登場するなか、1987年に発売されてから今もなお絶大な人気を誇っているのが、スクウェア(現:スクウェア・エニックス)の『ファイナルファンタジー』シリーズだ。

 時代の最先端を行く美麗なグラフィック、シーンを盛り上げる壮大な音楽、プレイヤーを惹きこむストーリーと実に魅力あふれる本シリーズは、タイトルごとに作り込まれたミニゲームが収録されているのも大きな特徴だ。

 なかでも、2000年にPlayStation(PS)用ソフトとして登場した『ファイナルファンタジーIX』には、思いがけないタイミングで遊ぶことができる「裏技的なミニゲーム」が登場している。

 なんとこのミニゲーム、ゲーム本編ではなく、ラスボスを撃破し、スタッフロールが流れ終えたゲームクリア後の画面から遊ぶことができるものだった。

 エンディングが流れたあと、画面に「THE END」の文字が出ているタイミングで特定のコマンドを入力すると、隠しミニゲームである「ブラックジャック」が始まるのだ。

 その内容は特別なものではなく、誰もが知っているトランプのブラックジャックで、暗闇を背景にトランプが登場し、おもむろにゲームがはじまる。その様子はどこかシュールでもある。

 ゲームクリア後ということもあり、普通ならばまず気付かないこの裏技。だが、FFファンにとってはかなり有名な存在で、のちに発売されたリマスター版などではゲームクリア後のタイトル画面に正式なプレイ導線が追加されていたりと、後継作にもしっかりと受け継がれていた。

 ゲームクリアの余韻に浸りつつ、このカードゲームで時間を潰してみるのも一興かもしれない。

■シンプルかつ奥深いのは本編同様…『蚊』

 2001年にソニー・コンピュータエンタテインメント(現:ソニー・インタラクティブエンタテインメント)より発売されたPS2用ソフト『蚊』は、その思い切った作風が話題を呼んだ一作だ。

 ゲームの主人公は、夏の風物詩ともいえる虫・蚊。プレイヤーは1匹の蚊を操作し、舞台となる山田家の人々に叩き潰されないよう彼らの血を採取していく。

 回を追うごとに超人化していく山田家の人々、1匹の蚊を倒すためには過剰ともいえるギミックの数々……と、ツッコミどころは満載ではあるが、その一方、クリアのためには技量が試されるなんとも骨太な一作となっている。

 そんな本作、一応パッケージには「プレイヤー人数1人」と記されているものの、2P用コントローラーを差し、タイトル画面で「スタートボタン」と「セレクトボタン」を同時押しすると、2人で遊べる隠しミニゲームを起動することができる。

 そのミニゲームのタイトルは『暴走バイセコー』。中年男性の乗った自転車を操作し、相手を土俵から落とすという内容で、キャラ設定、舞台設定からして「なぜ?」と、これまたツッコミどころ満載のものだった。

 操作性は至ってシンプルで、方向転換とアクセル、ジャンプ、必殺のロケットアタックを駆使し、相手を画面外に押し出すだけ。だが、それぞれのアクションもしっかりとしており、状況に応じた攻め、守りを切り替える巧みな心理戦が必要となる。本編同様、ネタゲーと侮れないミニゲームなのだ。

 ちょっとした時間を使って誰かとさくっと盛り上がるには、うってつけだろう。

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