■身近にいたら太刀打ちできないあざとかわいい女『ホリデイラブ』松本まりか
2018年に放送された『ホリデイラブ』では、松本まりかさんの怪演ぶりがとにかく強烈だった。
本作で松本さんは仲里依紗さん演じる主人公・高森杏寿の夫・純平(塚本高史さん)と不倫関係となる既婚者女性・井筒里奈を演じている。
不倫という関係を選んだ純平にも、もちろん非はある。だが、それ以上に里奈のあざとさは凄かった。一見、純平が勢いで関係を持ってしまったようにも見えたが、実はそこにいたるまでには、里奈の巧妙な罠が仕掛けられていたのだ。また里奈は不倫発覚後も純平を手放すまいと、あらゆる手を使って揺さぶりをかけてくる。
里奈を演じた松本さんは、ハスキーがかった独特の可愛らしい声で「もっともっと早くに出会いたかった」「女って、心と体がひとつなんです」そう言って、さりげなくボディタッチをして純平に迫る。純平は妻のもとに帰りたいのだが、こうした彼女の魅力に惑わされてしまうのだ。
このドラマで松本さんはハードな濡れ場を演じたりと、体当たりの演技を見せている。そんな迫力のある演技に視聴者は驚愕し「恐ろしくもあざとかわいい女」として話題となった。
程度はあれど、里奈のような「魔性の女」は現実世界にも存在する。ドラマを見ながら、こんな女性が自分のパートナーを誘惑したら……と、思わず考えてしまった人は少なくないのではないだろうか。
可愛さの裏に恐ろしさを秘めた「怖い女」たち。こんな女性が身近にいたらたまったものではないが、現実にも存在しそうな気もする。
こうした「怖い女」の描かれ方、そして女優たちの演技力の高さが、視聴者に忘れられないインパクトとして残り「名作」となっていくのだろう。