■『熱血!すとりーとバスケット』っていったいどんなゲーム?

さて、では『熱血!すとりーとバスケット』はどんなゲームなのか。ざっくりまとめると、くにおくんがアメリカで2on2のストリートバスケをするゲームです。
そのいきさつは、デモのムービーで説明されています。くにおくんがクイズ番組で優勝して、賞品にアメリカ旅行をプレゼントされる。そしてアメリカに着いたらストリートバスケの大会に出場することになるという、すごい展開です(笑)。
バスケをテーマにしたゲームは珍しいんですが、当時の私は、ボールと体の関係性をゲームで表現するのが大変なんじゃないかと感じていました。
たとえば、ドリブルすると、ボールは体から離れるわけです。これって当たり前のことなんですけど、実際に絵で表現しようとしたとき、自然に見えるように動かすのって、とても難しい。でも、『熱血!すとりーとバスケット』では、それがちゃんとデザインされていて、ボールがとても自然になめらかに動いています。「さすがだな」って思いましたね。
同じような例では、SNKさんの『サムライスピリッツ』というゲーム(※刀を持ったキャラが戦う格闘ゲーム)もすごいんです。見ればキャラクターが刀を持っている「1枚の絵」のように感じるんですが、遊んでいると、刀がキャラから離れるときがある。要は、別々に書いたものを後からくっつけているんですね。それでも動きが自然で、そう見えないわけです。
これは、自分でも『いけいけ!熱血ホッケー部』で取り組んだ部分なんですけど、私はあまり得意じゃなかった。だからこそ、感心しちゃいましたね。
これからも、さまざまなレトロゲームの「ちょっといい話」をお伝えしていきたいと思います。よろしくお願いいたします!
※ソフトの値段や状態などは2025年4月のものです。
【プロフィール】
大竹剛(おおたけ・つよし)
「レトロゲーム」に造詣が深い“元ドット絵職人”。ゲームメーカー「テクノスジャパン」で、主に『くにおくん』シリーズにドッターとして参加。現在は「ハードオフTOKYOラボ吉祥寺店」で店長を務める。本人もレトロなゲームのコレクター。