
森川ジョージ氏によるボクシング漫画『はじめの一歩』の千堂武士と宮田一郎は、登場人物の中でも特に人気があるキャラクターだ。彼らはともに主人公・幕之内一歩のライバルであり、フェザー級の世界ランカーとして世界チャンピオンになる可能性も高いキャラクターである。
千堂はフェザー級屈指のハードパンチャー、宮田はフェザー級屈指のカウンターパンチャーという対極にいる者同士。それぞれ一歩との対戦も気になるところだが、一体どちらが強いのかも気になってしまう。以下では千堂と宮田が戦ったらどんな結果になりそうか、作中の描写をもとに考察していきたい。
※本記事には作品の内容を含みます
■一歩との戦績による考察
まずは一歩との対戦成績から考察してみよう。宮田と一歩の戦いは、一歩がプロボクサーになる前だ。1度目は素人同然の頃で、一歩はすでにプロとして通用すると言われていた練習生の宮田に惨敗している。しかし、この時のタフネスさと根性で、鴨川会長の弟子として認められるようになった。
そして、3カ月後。再び2人のスパーリングがおこなわれた際には、激戦のすえに一歩の変則軌道のアッパーが宮田のあごをかすめ、一歩のKO勝ちとなった。戦績は1勝1敗となり、決着はプロのリングでつけようと約束している。
一方の千堂は、全日本新人王決定戦と日本フェザー級タイトルマッチという大舞台で一歩と対戦している。ハードパンチャー同士の戦いは壮絶なものとなり、千堂はどちらも敗北してしまった。
戦績だけを見れば、千堂は一歩に2敗しており、宮田に分がありそうだ。しかし、宮田はプロボクサーとしての一歩とまだ戦っていないため、戦績から判断するのは千堂にとっては酷といえるだろう。
■千堂はカウンター使いにとっては天敵
千堂サイドからみると、宮田は実はやりやすい相手だ。実際に宮田のほうは、千堂はカウンター使いにとっては天敵と見なしていて、カウンターが通用しない「厄介極まりない存在」とまで話している。加えて、スマッシュの威力がカウンター使いの決断を鈍らせるという効果もある。
千堂のスマッシュは、直撃すれば失神する可能性が高いだけでなく、選手生命すら断たれかねないほどの威力がある。一歩に勝利した経験があるアルフレド・ゴンザレスも、恐怖のせいで千堂のスマッシュにカウンターを合わせられない瞬間があり、最終的には敗北していた。
宮田はカウンター使いとしての度胸と勇気は一級品だが、果たして千堂の本気のスマッシュにカウンターを合わせられるのか。加えて、千堂の野生の嗅覚によるカウンター潰しは、宮田にとっても脅威と言えるだろう。