「いっそ映画にしてほしい…」人気俳優たちがCMで描いた「国民的アニメの数年後」の画像
広瀬すず  写真/ふたまん+編集部

 2025年4月、イケメン俳優として知られる高橋文哉さんが、『やかんの麦茶 from 爽健美茶』のCMで『クレヨンしんちゃん』の“野原しんのすけが25歳に成長した姿”を演じたことが大きな話題となった。「イケメンすぎる!」や「シリーズ化してほしい」などさまざまな声が挙がっており、意外なキャスティングだけでなく、心あたたまるストーリーも見どころだ。

 過去にも国民的アニメの実写化CMはいくつか制作されており、中には「映画化してほしい」という声が上がることもあるほど好評を博す場合も多い。

 

■主演級の俳優がズラリ!『サザエさん』実写化CM

 2008年から2009年にかけてオンエアされた、江崎グリコ『アーモンドプレミオ』『バンホーテン ディアカカオ』のCMでは、『サザエさん』の実写版を豪華俳優陣が演じた。

 コンセプトは「OTONA GLICO(オトナグリコ)」であり、舞台となるのは本編の25年後の世界。宮沢りえさんが大人になったワカメ役として登場し、ほかにもカツオ役は浅野忠信さん、タラちゃん役は永山瑛太さん、イクラちゃん役は小栗旬さんと、主演級の俳優が名を連ねた。

 サザエや波平といった原作の大人たちが登場しないというのも面白いポイントだ。25年後には、かつての子どもたちはそれぞれ自分の人生を歩んでいて、カツオが昔と変わらずバットを担いでいたり、イクラちゃんが成功者となって高級車に乗ったりする姿が描かれている。

 愛猫のタマが3代目になっているなど、細かい遊び心も面白いポイントだ。その後もシリーズ化され、イクラちゃんとタラちゃんのライバル関係が描かれるなど、IFストーリーとしても楽しめるクオリティーだった。

■まさかのハリウッドスターが登場!『ドラえもん』実写化CM

 『ドラえもん』のCMといえば、数年間にわたって制作されたトヨタ自動車のものがよく知られている。のび太役に妻夫木聡さん、しずかちゃん役に水川あさみさん、ジャイアン役に小川直也さん、スネ夫役に山下智久さんがキャスティングされており、彼らのコミカルなやりとりを楽しめた。

 さらにジャイ子役には前田敦子さん、出来杉くん役には体操選手の内村航平さんといった当時大人気だったスターたちが名を連ねる。そして肝心のドラえもんは、さらに攻めたキャスティングだった。CGでもいいところをあえて実写化し、ハリウッドスターのジャン・レノさんが青い服を着てドラえもんとして登場するのだ。

 あまりにもドラえもんだけが攻めたキャスティングすぎて、初見の時は腹を抱えて笑った記憶が鮮明に残っているほど衝撃的だった。どこでもドアやもしもボックスといったおなじみのひみつ道具も登場するのだが、出すたびに天井や床を破壊してしまうところが妙にリアルでシュールだ。 

 さらに、『ドラえもん』のCMはほかにも存在する。ソフトバンクのCMで、おなじみ「白戸家」の人々とドラえもんたちとのコラボが描かれるという内容だ。45歳ののび太役には堺雅人さん、のび太のパパ役に小手伸也さん、のび太のママ役に阿佐ヶ谷姉妹の渡辺江里子さん、少年期ののび太役に鈴木福さんがキャスティングされている。

 驚きなのは、ソフトバンク版でもドラえもんにブルース・ウィリスさんというハリウッドスターが選ばれていることだ。このCMもシリーズ化され、「未来のジャイアン」や「未来のスネ夫」も登場している。それぞれ、バスケットボール選手の八村塁さん、社会学者の古市憲寿さんという独特のキャスティングが新鮮だった。

 『ドラえもん』の実写化CMでは、ドラえもんをどちらも世界的なハリウッドスターが演じているのが非常に面白い。なぜか猫型でなく人型のドラえもんに対する衝撃とともに、「なぜオファーを受けてくれたんだろう?」という点も気になってしまった……。

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