「さすがに不利すぎない!?」いきなりの窮地に愕然…歴代『ファイナルファンタジー』理不尽な環境で戦わされた「凶悪ボス」たちの画像
『ファイナルファンタジーIII』(スクウェア)(C)1990 SQUARE(写真/ふたまん+)

 RPGでは立ちはだかる強敵との戦いは、装備を整え、魔法を覚え、万全の態勢で挑むもの。だが『ファイナルファンタジー』シリーズ(スクウェア・エニックス)には、そんなセオリーをあざ笑うかのように、非常に不利な「よわよわ」な状態のまま強制突入させられるボス戦がいくつもあった。

 今回は思わずコントローラーを握る手が震えた、あの理不尽な戦いの数々を振り返ってみたい。

■でかいネズミが怖い…

 まずは『ファイナルファンタジーIII』(1990年)から、おおネズミ戦だ。

 おおネズミは、序盤から中盤に差し掛かる時期、ネプト神殿で戦うことになるボスである。このネプト神殿で先に進むにはパーティ全員に「ミニマム」をかけ、小人状態にならないといけないのだ。

 小人状態とは、その名のとおりキャラクターのサイズが小さくなった状態で、物理攻撃を行っても敵にほとんどダメージを与えられない。ダンジョンを進むために自分たちの体を小さくしたのは仕方がないとして、そのままボスと戦うというのはまさに「こんなよわよわ状態で戦うの?」と誰もがビビったことだろう。斬新ではあったが、プレイヤーとしてはかなり苦労させられた怖いボス戦だったのではないか。

 戦闘は魔法一択となり、おのずとジョブも白魔道士、黒魔道士、赤魔道士に絞られることになる。

 途中の戦闘は逃げ続ければなんとかなるかもしれないが、ボスのおおネズミはこのよわよわ状態で戦わざるをえない。しかも、ファイラ、ブリザラなどのラ系魔法を入手していなければ、火力も低く、当然苦戦を強いられる。

 全員黒魔道士にして全力で魔法攻撃を連発すれば倒せない相手ではない。だが、そうなると回復手段が限られてくるため、道中のザコ戦を逃げまくらなければならない。しかも、おおネズミを倒した後も来た道を引き返すという、不便な昔のRPGあるあるが待っている。

 帰りに回復魔法の使用回数が尽きて全滅してしまった日には目も当てられない。

■圧倒的不利な状況下でスタートするゴルベーザ戦

 『ファイナルファンタジーIV』では、ゴルベーザ戦の戦闘突入演出も非常にドキドキするものだった。

 地下世界のドワーフの城で、闇のクリスタルを狙って現れたところで戦うことになる大ボス・ゴルベーザ。この時点のパーティは、セシル、カイン、ローザ、ヤンの4人で、攻撃力の高いメンバー3人と回復役というバランスのいい構成になっている。

 ただ、この戦闘は直前の人形型のボス・カルコブリーナからの連戦となっており、しかも、戦闘が始まるとゴルベーザはセシルたち全員を麻痺させる「じゅばくのれいき」を使ってくる。そしてゴルベーザは続けざまに黒竜を召喚し、セシル以外のメンバーを次々と戦闘不能状態にしてしまうのだ。

 最後はセシルの番となり、絶体絶命のピンチに……。そこに、行方不明になっていた召喚士のリディアが助けに現れるというドラマティックな展開だ。

 ここからBGMが変わり、ゴルベーザ戦に移る演出は鳥肌もの。スーパーファミコンのRPGの中でも屈指のボス戦突入シーンだが、戦闘開始時はセシルとリディアの2人だけで、3人が戦闘不能状態でスタートするというのは実に苦しい。

 リディアは以前使えた回復魔法が使えなくなっており、セシルの魔法の回復力では心もとない。そうなると3人を復活させるところからスタートすることになるが、手数が少ないので回復が追い付かないこともある。負けるとまたカルコブリーナ戦の前からやり直しである……。

 筆者もかなり苦労させられた思い出があるが、ゴルベーザのじゅばくのれいきを喰らう前にカインがジャンプに成功し、麻痺を回避することができれば、戦闘開始時に3人でスタートし勝てる確率が上がる。「カイン、早くジャンプしろ!」と心の中で叫んでいたことを思い出す。

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