■詰んだプレイヤーが続出した…ウィーグラフ戦の苦しさ
最後はナンバリングタイトルではなく外伝的作品である『ファイナルファンタジータクティクス』(1997年)より、ウィーグラフ戦を振り返りたい。
本作はシミュレーションRPGというジャンルであり、戦略や準備が重要となってくる。その中でも、このウィーグラフは別格の難易度を誇る強敵で、多くのプレイヤーを絶望の淵に叩き落とした。
ウィーグラフ・フォルズはストーリーが中盤から終盤にさしかかったリオファネス城で戦うことになる骸旅団のリーダーで、城に入る前にザコ敵と1戦交えた後の2戦目に城内で戦うことになる。
しかもこの戦闘は、自軍は主人公ラムザ1人、ウィーグラフとの一騎打ち。どんなに仲間を育てていても1対1となるため「この状態で戦うの?」と恐怖を覚える。
さらに、本作は1戦を終えるとセーブができ、ここでセーブすると再開するときには1戦目はパスできる仕様になっているのだが、それがむしろウィーグラフ戦の凶悪度を上げている。
ウィーグラフは攻撃力も高く、ラムザを肉弾系で育成していると攻撃でダメージを与えても反撃で大ダメージを喰らい、勝つのは難しい。リオファネス城内に入る前のデータを残していればレベルアップして再挑戦できるのだが、ウィーグラフ戦の直前でセーブしたデータしかない場合、アイテムなどの補充やレベルアップなどの育成がいっさいできない状態になるので、ここで詰んでしまうことにもなりかねないのだ。
しかも、ウィーグラフ戦が終わった後は魔人ベリアスとの戦いが待っており、まさかの3連戦である。このときは仲間も戦闘に加わるが、この戦闘もかなり苦戦させられる。
この戦いで学んだことは、「セーブデータは絶対に複数残しておこう」という一点であった。
『FF』シリーズではそのドラマティックな演出のため、「いきなりこんな状況で戦えってどういうこと?」と戸惑うような、よわよわ状態での強制戦闘がいくつも描かれてきた。かつて、全滅を繰り返しながらも挑み続けたあのバトルが後に、「そういえばあのときキツかったな」と逆にいい思い出になったりもする。