
水上恒司さんが声優として出演するアニメ映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』。本作は、おかしと人間が仲よく暮らす「スイーツランド」で、今や世界的人気を誇る、歌って踊れるスーパーアイドルグループ「たべっ子どうぶつ」が活躍し、世界征服を目論む最凶のわたあめ軍団を倒すというミッションに挑む物語です。
「たべっ子どうぶつ」の中でも、“包容力No.1の頼れるメンバー1の頭脳派”ぞうくんの声を担当した水上さんに、作品の魅力やご自身が最近笑顔になったエピソードなども伺いました。
【第2回/全3回】
――作中では「ぺがさすちゃん」(髙石あかり)にスターの座を奪われたと嫉妬する「らいおんくん」(松田元太)を「ぞうくん」がなだめる場面もありました。そんな「ぞうくん」のことを「『らいおんくん』の女房役のよう」と表現していたのが、キャッチャーのご経験がある水上さんらしい例えだなと思いました。
水上恒司(以下、水上) やはりピッチャーはエースなので、プロ野球中継でも一番カメラに抜かれるポジションというくらいの花形。僕もピッチャーをやっていたことがありますが、長くやっていたのはキャッチャーです。
役者という職業上、らいおんくんのような、エースの立場のパフォーマンスを求められることが多いのですが、僕自身はあまり大勢の人の前に立ちたくないタイプなんです。自分でもキャッチャー気質だなと思っているので、ぞうくんのように、自分は表立って活躍せずに、陰で支えるような生き方や物の言い方が素敵に見えました。

――今回が声優初挑戦でしたが、竹清仁監督からは何かアドバイスはありましたか?
水上 最初に、ぞうくんの大きい感じを表現したくて、恰幅がいい感じの声を出してみたんです。すると監督から「本当の君自身でいいんだよ」と言われたんですね。僕の中では、まずはそれでやってみたいと思ってトライしたのですが、「自分自身でいいんだ」と受け止めて臨みました。
――アフレコ現場にほかの人は誰もいなくて、水上さんお一人で収録されたとか。
水上 アイドルグループという設定だったので、本当は収録も一緒にできたらよかったのですが、皆さんお忙しいですからね。らいおんくんの声を担当した松田元太さんがいたら、それこそ「キャッチャーとピッチャー」のような関係性も作れたと思うけど、僕一人でピッチャーをやりながら打席にも立って、といった感じでした。