水上さんが「たべっ子どうぶつ」のパッケージを見て親近感が湧いた理由は…

――かわいい「どうぶつ」たちが力を合わせて最凶の敵に立ち向かっていくという、子どもから大人まで楽しめるストーリーですが、脚本や完成した映画をご覧になった感想を教えてください。

水上 本作のキャッチコピーに入っている「武器なし、策なし、意気地なし」という3つの「ない」が、すごくいいなと思いました。これからの時代、「君は何を持って生きていくんだい?」とか「それでも、生きていかないといけないんだよ」ということを、この3つの「ない」が伝えているように感じたし、きっと本作を見た方々も、何かしらを感じ取れる作品になっていると思います。

 策も意気地もなくていいわけではないけど、「自分たち何も持っていないんだ」と認めているところが好きですね。変に見栄を張らずに、「何も持っていないけど、戦います!」と言うことが大事なんじゃないかなと思います。

――お菓子の『たべっ子どうぶつ』は、発売開始から47年、世界20カ国以上で販売されている、日本を代表するロングセラー商品です。『たべっ子どうぶつ』にどんな印象をお持ちですか。

水上 まず、何と言っても「美味しい」ですよね。

 あとは、『たべっ子どうぶつ』のキャラクターが46種類もいることを最近知って、驚きました。お菓子にどうぶつの英単語が書いてありますが、パッケージの裏に一覧が載っているんですね。そこを見ると「めうし(COW)」と「おうし(OX)」の両方がいて、僕の名前が「こうし」なので、ちょっと親近感がわきました(笑)。

 それと、今回の映画化にあたり『たべっ子どうぶつ』のグッズがいろいろ作られてたんですよ。僕の控え室にもいろいろ置いてあって、それを見てテンションが上がりましたね。

ぞうくん 撮影/イシワタフミアキ

――今日の撮影で一緒だった「ぞうくん」の動きがかわいらしくて、思わず笑顔になる人が多かったですが、水上さんが最近、笑顔になった出来事はありますか?

水上 先日、とある地方から東京に戻ってきたのですが、飛行機の搭乗口の席で僕が本を読んでいたら、4人家族がいらしたんです。兄弟のうちのお兄ちゃんはお利口さんで静かに待っているけど、弟のほうが、まぁ暴れん坊で(笑)。

 たぶん、彼はジュースを飲みたいんだけど、お母さんが「ジュースはもうおしまいって言ったよね」と伝えると、弟は持っていたポーチみたいなものをぶんぶん振り回して駄々をこねていて。僕はそれを見て「いいぞっ!」と心の中で応援していました(笑)。「いずれ大人になるのだから、今はそのままで大丈夫だよ」と、笑顔になる出来事でしたね。

 

取材・文/根津香菜子

水上恒司(みずかみ・こうし)
1999年生まれ、福岡県出身。『望み』(20)で日本アカデミー賞新人俳優賞、『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』(23)で同賞優秀主演男優賞を受賞。主な出演作は、「中学聖日記」(18)、『弥生、三月-君を愛した30年-』(20)、「MIU404」(20)、NHK大河ドラマ青天を衝け」(21)、『そして、バトンは渡された』(21)、『死刑にいたる病』(22)、『OUT』(23)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23)、『熱のあとに』(24)、「ブルーモーメント」(24)、『八犬伝』(24)、『本心』(24)など。ボイスキャストは本作が初出演。

©ギンビス ©劇場版「たべっ子どうぶつ」製作委員会

《作品概要》
『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』
全国公開中
監督:竹清仁
脚本:池田テツヒロ
松⽥元太、⽔上恒司、髙⽯あかり、藤森慎吾蒼井翔太、⼩澤亜李、⽔瀬いのり、東⼭奈央、⽴⽊⽂彦、間宮くるみら声の出演。
配給:クロックワークス・TBSテレビ / アニメーション制作:マーザ・アニメーションプラネット
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