「ちっともクールじゃない…」ジャンプ人気漫画「思わず失笑!?」ネーミングが独特すぎる必殺技 『ジョジョ』『男塾』『ワンピース』にも…の画像
アニメ『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』 (c)荒木飛呂彦&LUCKY LAND COMMUNICATIONS/集英社・ジョジョの奇妙な冒険SC製作委員会

 漫画に登場する必殺技は、物語を彩る重要な演出のひとつ。主人公が逆境を跳ね返す瞬間や、仲間との絆を力に変える時など、その華やかな演出と技名の叫びは、ファンの心に深く刻まれる。

 一方で、そんな熱い場面に水を差してしまうような“ネーミングセンスに難あり”な必殺技も確かに存在する。いや、むしろそういった「ダサい」と揶揄される技名のほうがなぜか記憶に残っているという人も少なくないのではないか。

 今回は、ジャンプ作品に限定して、多くの読者が「これはちょっと……」と思ってしまったであろう“独特な名前の必殺技”を振り返っていきたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■『ジョジョ』や『ドラゴンボール』…記憶に残るネーミングの必殺技の数々

 まず取り上げたいのが、『ジョジョの奇妙な冒険』の「流星指刺(スターフィンガー)」である。第3部で空条承太郎が放った技で、スタンド「スタープラチナ」の指を急激に伸ばして敵を貫くというものだ。あまりにも地味な技であるせいか、ネーミングもインパクトに欠ける。ジョジョという作品の持つ独特のスタイリッシュさと、承太郎のハードボイルドな性格に対して、技名だけがなぜか子ども向け番組のような印象だ。

 もっとクールな名前なら良かったのに……と思ってしまう一方、「第6部で使えてたらプッチ神父に勝てたのでは?」というように実用性を評価する声もあり、完全にネタ扱いするには惜しい技でもあった。

 同じく『ジョジョ』シリーズからもうひとつ、第1部でジョナサン・ジョースターが放った「ズームパンチ」も忘れがたい。肩の関節を外してリーチを伸ばすという身体的な犠牲を伴う痛々しい技なのに、その名はあまりに直球すぎ。波紋使いとしての誇り高いファイトスタイルに対して、技名が少し軽く感じられ、ちょっと拍子抜けしてしまう。「山吹色の波紋疾走(サンライトイエローオーバードライブ)」といった他の代表技を強調するための“噛ませ技”だったのかもしれない。

 ギャグ系作品の中で、名実ともに話題をさらったのが『ギャグマンガ日和』の「飛鳥文化アタック」だ。聖徳太子が放つこの技は、仏教文化の偉大さを知らしめるために、なぜか自らの体を丸めて回転し、敵に突撃するというもの。

 歴史の授業でおなじみの“飛鳥文化”をもじったセンスは、さすがギャグ漫画の真骨頂である。ネーミングのセンスと技のくだらなさが絶妙に合致しており、結果的に“記憶に残る必殺技”として成功した例と言えるだろう。

 伝説のギャグキャラといえば、『ドラゴンボール』のミスター・サタンも忘れてはならない。彼が放つ「サタン ミラクル スペシャル ウルトラ スーパー メガトン パンチ」は、もはや技名の時点で満腹感すら覚えるほどのボリュームである。

 人造人間18号との対戦中、買収によって勝利を約束されたにもかかわらず、やる気を見せるために放ったこの技は威力こそ皆無だったが、名前だけで一躍話題に。ネット上では「一周回ってかっこよく思えてきた」との声もあり、サタンらしい“虚勢の美学”が詰まった一撃だったとも言える。まさに“名前に全振りした男”の象徴として記憶に残る技である。

 往年の人気作『魁!!男塾』シリーズからは、虎丸龍次による「猛虎流奥義大放屁」を取り上げたい。もうこの技名の時点で笑ってしまうが、内容もまさにそのままで、相手に向かって屁をかますという技だ。

 しかも、ただのギャグでは終わらず、「大放屁火炎放射」「大放屁逆噴射」など応用技まで存在し、果ては光より速い屁で時間をさかのぼるという荒唐無稽な展開にまで発展する。ある意味、“屁”というネタに真面目に全力を注ぎ込んだジャンプ魂が垣間見える技だ。

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