■他の2匹が強すぎる…『ルビー・サファイア』キモリ
次は『ポケットモンスター ルビー・サファイア』におけるくさタイプの御三家・キモリだ。実は、ゲーム的な性能は、先のヒトカゲやチコリータと比べるとそこまで悪くなかったりする。
レベル29で「リーフブレード」を覚えるまでは、メインのくさタイプ技が初期技の「すいとる」しかなく、他タイプの技もいまいちパッとしないことから、序盤のキモリはかなり辛い。だが、「リーフブレード」さえ覚えれば持ち前のすばやさを活かせるアタッカーになり、海の探索や終盤のジムリーダー戦ではかなり頼れる存在だ。いわば大器晩成型のポケモンである。
では、なぜ不遇な御三家としてキモリを紹介しているのか……他2匹がストーリー攻略においてとても優秀だからだ。
ほのおタイプのアチャモはかくとうタイプの技も覚えるため、多くの敵と戦いやすかった。また、みずタイプのミズゴロウは進化するとみず&じめんの複合タイプとなり、くさタイプ以外から弱点を突かれない。
2匹とも『ポケモン ルビサファ』のストーリー攻略でとても役立つポケモンなので、キモリが相対的に苦労しやすい部類に入るわけだ。
実際にキモリを使っていた筆者は、ミズゴロウを選んだ友達が自分よりスムーズに冒険を進めていると知って「羨ましい」と思った記憶がある。あの頃は隣の芝生ならぬ隣のミズゴロウが青く見えていた……。
「御三家」というくくりがある以上、それぞれのポケモンが比較されて優遇、不遇と評価されるのは当然の流れといえる。だが、ゲーム内での評価だけでそのポケモンのすべてを判断するのは早計だ。
たとえば、今回紹介したチコリータはストーリー攻略では不遇だったが、『ポケモン 金・銀』当時からキャラとしてはかなり人気が高かったように思う。テレビアニメ版『ポケットモンスター』でも主人公・サトシの手持ちポケモンとして目立っていたし、なんといっても見た目がかわいい。
そもそも不遇な御三家として認識されているのは、それだけ選んだ人が多かったといえるのではないだろうか。
ポケモンの価値は、一側面だけで測れない。『LEGENDS Z-A』では残念ながら御三家から外されたヒノアラシも、どこかで「不遇」の声を跳ね返す活躍をしてほしいものだ。