『赤・緑』ヒトカゲに『金・銀』のチコリータも「期待したほど強くない!?」選んだら苦労必至…初期『ポケットモンスター』不遇すぎた「御三家ポケモン」の画像
ゲームボーイソフト『ポケットモンスター赤』(任天堂) 写真/ふたまん+編集部 ©1995 Nintendo/Creatures inc./GAME FREAK inc.

 先日発表された『ポケモン』シリーズ最新作『Pokemon LEGENDS Z-A(以下LEGENDS Z-A)』において、あるポケモンの不在が話題になったことをご存知だろうか。

 公開されたPVを見ると、最初に選べる相棒ポケモンにチコリータとワニノコがいるのに、ヒノアラシがいないのだ。この3匹は『ポケットモンスター 金・銀』での御三家ポケモンなのだが、『LEGENDS Z-A』では、なぜかヒノアラシだけが外されたらしい。

 2022年発売の『Pokemon LEDENDS アルセウス』ではヒノアラシがモクローとミジュマルと共に最初にもらえる3匹として登場していたので今回は席を譲ったのかもしれないが、ファンの間では「なんでヒノアラシだけ?」「不遇すぎる」といった声もあがった。

 しかし、長い「ポケモン」の歴史を振り返れば、難易度や強さの違いから「不遇だった」と言われがちな御三家ポケモンがいるのも事実だ。今回は、初期の『ポケモン』シリーズにおいて、選ぶと苦労しがちな不遇御三家ポケモンを見ていこう。あなたの相棒は入っているだろうか?

※本記事には各作品の内容を含みます

■序盤がキツイ上に“ほのおわざ”もしょぼい…『赤・緑』ヒトカゲ

 まずは、記念すべき第1作『ポケットモンスター 赤・緑』の「ヒトカゲ」だ。最終進化のリザードンが赤バージョンのパッケージを飾ったこともあり、御三家の中では抜群の人気を誇るポケモンだが、選ぶとかなり不利だったのも有名な話である。

 とくに厄介なのが、序盤のジムリーダーにあたるタケシとカスミとの戦いだろう。タケシはいわタイプ、カスミはみずタイプと、どちらもほのおタイプにとっては天敵だ。タケシのイワークを倒すためにがんばってリザードまで育てた人や、カスミのスターミーがくり出す「バブルこうせん」に手も足も出ずあぜんとした人は少なくないだろう。

 序盤では強いポケモンをゲットしにくいため、御三家のヒトカゲが通用しないとゲームの攻略が詰まりやすいのも、不遇の印象を強めている。

 なんとか序盤を抜けても、今度は「ほのおわざ」を覚えづらい問題が浮上してくる。ヒトカゲを最短でリザード、リザードンと進化させた場合、強力な「かえんほうしゃ」を覚えるのは、ストーリー終盤のレベル46。それまではヒトカゲの頃に覚えた「ひのこ」しかレベルアップでほのおわざを覚えられないのだ。

 見た目がドラゴンのようにカッコいいリザードンのほのおわざが「ひのこ」では、あまりにもしょぼい。「早くほのおわざを覚えてくれ!」と願いながら、急所ほぼ確定の「きりさく」を頼りに戦うのも“リザードンあるある”だろう。

■能力値、覚える技、ジム、すべてが逆風だった『金・銀』チコリータ

 『LEGENDS Z-A』では晴れて御三家に選ばれたチコリータだが、初登場の『ポケットモンスター金・銀』では、シリーズ屈指の不遇ポケモンだったと語られることもしばしば。チコリータを選ぶか否かで本作の難易度が一段階変わる……とすら言われるほどだ。

 まず、ジムリーダーとの相性がことごとく悪い。8つのポケモンジムのうち、チコリータが不利なタイプのジムが5つあり、有利なジムは皆無。冒険の関門となるジムリーダー戦で、御三家のチコリータがまるで活躍できず、対策に育てたポケモンにエースの立場を追われることも多かった。

 さらに、チコリータの性能が防御寄りなのも厳しいところだ。ストーリー攻略では「倒される前に倒す」が鉄板の戦法であり、高火力や多彩なタイプで攻められるポケモンが重宝される。HPやぼうぎょが高い代わりに、こうげきやとくこうが控えめなチコリータは、最終進化のメガニウムになったとしても火力不足が目立った。

 前作の御三家・フシギダネが覚えた「やどりぎのタネ」や「ねむりごな」を覚えなかったのも、使い勝手の悪さを印象深くしている要因だろう。

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