
現在放送中の『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』は、『スーパー戦隊』シリーズ50周年を記念したお祭り作品だ。
本作では、新たな変身者たちが「センタイリング」と呼ばれる指輪型のアイテムを使い歴代レッドへと変身し、最強の座をかけて毎回激しいバトルを繰り広げている。
しかし、ここで気になってくるのが、オリジナルであるレッドたち自身の実力だ。はたして彼らは、かつてどれほどの戦闘力を誇っていたのだろうか? そこで、作中の描写や公式設定をもとに、「歴代最強レッド」は誰だったのかを考察してみたい。
※本記事には各作品の内容を含みます
■ 人智を超えた力!「ドンモモタロウ」
まず最強レッド候補として挙げたいのが、『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』(2022年・第46作)の「ドンモモタロウ」だ。
『ゴジュウジャー』では、最年少総理大臣・熱海常夏という異色の変身者が話題を呼んだが、オリジナルの変身者である桃井タロウは、それ以上に規格外のレッドだった。
タロウは、赤ん坊の頃に桃型のカプセルに乗せられ、空間の裂け目から人間界へとやってきた高次元の存在だ。その出自を裏付けるように、彼自身も常識を超えた能力を持つハイスペックな戦士だった。
彼が変身するドンモモタロウの見た目は、特徴的なちょんまげ「ドンまげ」と、額に輝くメタリックピンクの巨大な桃がトレードマークで、日本の昔話「桃太郎」をモチーフにしている。
ドンモモタロウは日本刀のような「ザングラソード」をぶん回し、近未来バイク「エンヤライドン」を乗り回す。作中では、怪人・ヒトツ鬼や本作の幹部格である脳人を相手取っても、まるでものともしない圧倒的な強さを誇った。
そして、彼の規格外の強さを象徴するシーンのひとつが、第40話「キケンなあいのり」での戦闘だ。敵が使った“時間操作”は、他の作品ではラスボスクラスの能力である。しかし、ドンモモタロウは「だが、効かん!」の一言で、これを無効化してしまった。
あまりにでたらめな力だが、番組プロデューサー白倉伸一郎氏も、ドンモモタロウ/桃井タロウを「人智を超越したヒーロー」と位置づけているため、ある意味当然なのかもしれない。
■ブレイブあふれる超攻撃型戦士!「キョウリュウレッド」
2人目の最強レッド候補は、『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年・第37作)の「キョウリュウレッド」だ。
変身者である冒険家・桐生ダイゴは、自らを「キング」と名乗るにふさわしく、カリスマ性と器の大きさで仲間を引っ張るリーダーだった。
生身の戦闘力も桁外れで、第1話「でたァーッ!まっかなキング」では、なんと変身せずに、本作の巨大ロボに相当する獣電竜・ガブティラに勝利し、腕っぷしの強さと勇敢さを見せる。
彼が変身するキョウリュウレッドのモチーフは、恐竜の王者“ティラノサウルス”である。基本的には、変身アイテム兼武器「ガブリボルバー」を使って戦うオールラウンドの万能型戦士だが、なかでもナックル型の武器「ガブティラファング」を使ったパンチ主体のダイナミックな肉弾戦を、もっとも得意としていた。
さらに、パートナーのガブティラと一体化した強化形態「キョウリュウレッド・カーニバル」になった際には、さらに圧倒的な戦闘力を発揮。胸部のガブティラの顔を模したアーマーで意表をつく噛みつき攻撃を繰り出すなど、敵を寄せ付けない破壊力を持っていた。
歴代レッドのなかでもトップクラスの勇敢さを誇り、一度勢いに乗れば誰も手がつけられない。まさに、調子に乗せるともっとも手強いレッドの一人と言えるだろう。