
4月6日は数字の語呂合わせから、一部のガンダムファンのあいだで「ジムの日」とも呼ばれている。地球連邦軍初の量産型モビルスーツ(MS)であるジムは、『機動戦士ガンダム』の劇中ではガンダムのようなワンオフ機ほど目立った活躍はなかったが、少ない出番に一喜一憂したファンも多いはず。
そしてさまざまな派生作品のなかに、ジムのバリエーション機の活躍も描かれている。そこには「地味なやられ役」のイメージを払拭するような、見るからにスタイリッシュな“イケメン”のジムもいた。
そこで個人的にデザインが好みなジムに焦点を当てつつ、それぞれのビジュアルの良さについて振り返ってみたい。
※本記事は各作品の内容を含みます。
■カラーリングが渋い…ホワイト・ディンゴ仕様
まずはオーソドックスな普通のジムながら、カラーリングがカッコよすぎる機体から紹介しよう。それが「ジム(ホワイト・ディンゴ隊仕様)」だ。
このジムは、ドリームキャストで発売されたゲーム『機動戦士ガンダム外伝 コロニーの落ちた地で…』(バンダイ)に登場したもの。この作品には最後までガンダムが登場せず、ジム系の機体や量産型ガンキャノンで戦うことになる。
同作に登場するジム(ホワイト・ディンゴ隊仕様)は、グレーを主体にした渋いカラーリングが特長。アニメ『機動戦士ガンダム』に登場したジムは上半身の赤と黄色のカラーがどこかおもちゃっぽさを感じさせたが、こちらのジムはそのカラーのせいかミリタリー感が強い。
アニメのジムに比べてやや小型のシールドを持ち、陸戦仕様にカスタムされているので性能も少し向上している。モノトーンの配色になったことで、単なるやられ役のジムとは一味違う歴戦のツワモノが乗る機体にも見えるのだ。
ジムに乗った主人公が数々の修羅場をくぐる『コロニーの落ちた地で…』を知れば知るほど、このホワイト・ディンゴ隊仕様のジムが好きになることは間違いない。
■イケメンジムの代表格が持つ「さまざまな顔」
ビジュアルがカッコいいジムの代表格として「ジム・カスタム」を思い浮かべる人は多いはず。OVA『機動戦士ガンダム0083 STARDUST MEMORY』に登場する、不死身の第4小隊に所属するバニングたちが搭乗していた機体だ。
細く、鋭くなったカメラアイに、薄緑や薄青を基調としたカラーリング。背部に見えるアンテナとビームサーベルのアシンメトリーな感じはかなりイケている。歴戦の猛者が乗る機体として洗練されたデザインになっており、ツートンカラーのシールドも渋かった。
またジム・カスタムは、太田垣康男氏の描く人気コミック『機動戦士ガンダム サンダーボルト』にも登場。『サンダーボルト』といえば、サブアームにシールドをたくさんつけたガンダムやジムが印象的だったが、ジム・カスタムのアレンジは比較的控えめといえる。
だが、同機のバックパックからは4基のスラスターつきのアームが伸びており、そのシルエットは、まるでクロスボーンガンダムのようで存在感がある。こちらのビジュアルもかなりスタイリッシュで、不死身の第4小隊のジム・カスタムが好きな人は、ぜひ『サンダーボルト』版のジム・カスタムのデザインもチェックしてほしい。