■安室透の親友で諸伏高明の弟「諸伏景光」

 最後に紹介するのは、スコッチこと諸伏景光(もろふしひろみつ)だ。彼も登場回数は少ないながらも、強い印象を残したキャラクターの一人だ。

 彼は黒の組織に「スコッチ」のコードネームで潜入していた警視庁公安部の警察官。大人気キャラ・安室透こと降谷零とは幼馴染の大親友であり、警察学校時代の同期でもある。さらに、新作の劇場版にも登場するであろう長野県警・諸伏高明の実弟と、ほかの人気キャラたちとも関係の深いキャラだ。

 しかし景光は、本編上はすでに故人であるため、基本的には回想シーンでの登場だ。初登場は、「仲の悪いガールズバンド」(コミックス87巻・88巻、アニメ836話・837話)の回想シーン。幼い頃の世良真純にベースの弾き方を教えてくれた優しい兄の友達として描かれた。

 そして「裏切りのステージ」(コミック90巻、アニメ866話・867話)では、黒の組織に正体がバレてしまい、情報漏洩を防ぐために拳銃で自殺を図る悲しい景光の姿がある。

 その後も景光は、回想シーンとして幾度か作中に登場している。さらに、スピンオフ作品『名探偵コナン 警察学校編 Wild Police Story』が始まると、零をはじめとする警察学校同期とともに活躍。

 幼い頃に両親を殺されたという彼が抱えるトラウマも明かされるが、同期たちとともに彼のその因縁の犯人を探し出し逮捕、トラウマを見事乗り越える姿も描かれている。

 

 今回紹介した浅井成実、宮野明美、諸伏景光の3人は、登場回数は限られたものだったが、それぞれ強い印象を残し、本作のストーリー展開に大きな影響を与えるキャラクターであった。

 彼らはすでにストーリー上では故人であるが、回想シーンを中心に今後も物語に深くかかわってくる可能性は大いにあるだろう。新作劇場版『名探偵コナン 隻眼の残像』の公開を控えた今だからこそ、彼らの物語をあらためて見返してみてもいいかもしれない。

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