■謎めいた雰囲気を持つ美しき案内人の正体は?

 次に紹介する光原伸さんの『アウターゾーン』(1991年より連載)は、ミステリアスな美女・ミザリィを案内役にした、ホラーやオカルトをテーマとした1話完結の物語。2023年には2.5次元舞台よりも2次元に近い「2.2次元」を銘打った舞台が上演されるなど、今なお人気の作品だ。

 案内人であり、メインキャラクターのミザリィは、ウェーブのかかった緑の髪が特徴の美女。髪で左目を隠し、前髪の一房だけに紫のメッシュが入ったカラーリングがとてもオシャレだ。エルフのような尖った耳を持ち、その容姿や言動からは天使なのか悪魔なのかも分からず、正体不明だ。

 長身でグラマラスなミザリィだが、10話までは上着で胸が隠れていて、さほど強調されていなかった。当初は10話で終了の予定だった本作は、約半年後に通常連載に移行し、117話まで続いた特殊な作品である。そのため初期のミザリィと、連載復活以降のミザリィを比べると、徐々に身体のラインを強調したセクシーな衣装になっている。

 また、第1話に登場した強烈な母親のようなキャラクターを除くと、本作に登場する女性は愛らしいキャラクターが多い。そのため、ことさらミザリィのミステリアスかつ妖艶な色気が際立っている。

 ちなみに2011年から季刊誌『コミック特盛』(ホーム社)にて『アフターゾーン リ:ビジテッド』が連載されたが、こちらのミザリィの姿は、やや少女漫画っぽい印象だった。

■復讐に燃える悲しきメタルボディーの美女

 最後に紹介するのは、巻来功士さんが1986年に連載していたダークホラーアクションの『メタルK』。わずか10話で終了した作品にも関わらず、本作はかなり濃密な内容だ。

 不気味な使用人が押す車椅子に座る、洋館の女主人・冥神慶子が主人公。彼女は15年前と変わらない美しい少女の姿のままで、かつて恋人だった男の前に現れた。

 大企業・冥神工業の社長令嬢だった慶子は、恋人の裏切りで両親を殺され、自身も生きたまま焼かれるが、サイボーグとして蘇り、復讐を始めるというストーリーだ。

 サイボーグ化によって得た美しい容姿はかりそめの姿で、感情がたかぶると体内の機械が高熱を発し、皮膚(外装)が溶けてゼリー状の濃硫酸となる。そのため作中の慶子はいったん全裸になり、醜い鋼鉄の骨格をあらわにしながら、その濃硫酸を操って戦う。

 劇中で敵を憐れむような表情を浮かべる慶子がとてもセクシーで、少年誌の主人公とは思えないほど過酷な運命を歩む。当時のジャンプ作品としては、まさに異色の存在だった。


 少年漫画の主人公でありながら、男性主人公にはない魅力で読者を楽しませてくれた女性主人公たち。彼女たちの言動や表情、その視線にドキドキさせられたのは男性読者だけではない。抜群に美しい容姿やスタイルを誇りながら、どこかミステリアスな雰囲気を漂わせる彼女たちの、その内に秘めた部分に惹かれたのかもしれない。

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