「これがオトナの魅力…」80~90年代ジャンプ黄金期「刺激的な美しさ」にドキドキした女性主人公たちの画像
アニメ『キャッツ・アイ』ティザービジュアル (C)北条司/コアミックス

 雑誌『週刊少年ジャンプ』(集英社)といえばその名の通り、「少年」向けの漫画が並ぶ漫画誌だ。メインの読者層に合わせて、男性主人公が多いのは当然のことだろう。

 そんななか『約束のネバーランド』の「エマ」や、『めだかボックス』の「黒神めだか」など、女性主人公の作品も少なからず存在する。最近では『僕とロボコ』(2020年より連載)の主人公「ロボコ」も女性のメイド型ロボットだ。

 昭和や平成のジャンプ作品を振り返ると、女の子型ロボットの「則巻アラレ」が主人公の『Dr.スランプ』や、女子校生の「寿乱子」が主人公の『シェイプアップ乱』、「空条徐倫」がシリーズ初の女性主人公を務めた『ジョジョの奇妙な冒険 第6部』なども有名である。

 そこで今回は「ジャンプ黄金期」ともいわれる1980年代から90年代に登場した、大人っぽい雰囲気に魅了された女性主人公たちを、同性である筆者の目線からその魅力について語りたい。

※本記事には各作品の内容を含みます。

■異なるタイプの美人三姉妹が読者のハートを華麗に盗む!

 1981年から連載が始まった『キャッツ・アイ(・はハートマーク)』は、北条司さんの初連載作品。美人三姉妹が怪盗として活躍する物語だ。

 1983年からテレビアニメも放送され、杏里さんの歌う主題歌『CAT'S EYE』は大ヒット。実写化など多様なメディア展開もされ、2025年9月からはDisney+(ディズニープラス)で完全新作アニメが独占配信される。

 物語の主人公は来生(きすぎ)姉妹の次女・瞳で、長女・泪(るい)と三女・愛とともに、怪盗「キャッツアイ」という裏の顔を持つ。この三姉妹がぞれぞれ個性的で、魅力にあふれていた。

 泪は大人の色気を持つ美女で、愛はショートカットと大きな瞳が特徴の「ボクっ娘」。瞳はいつも明るく感情豊かで、怪盗「キャッツアイ」を追う警察官・内海俊夫とは恋人同士の関係にある。しかも、その俊夫はキャッツアイの正体を知らないため、苦悩する瞳の姿が切なくも美しかった。

 それぞれタイプの違う美女たちが、昼は人々の憩いの場である喫茶店「キャッツアイ」を営み、夜は美術品を狙う女怪盗として大胆なレオタード姿で行動。そんなミステリアスな二面性も魅力だった。

 とくにレオタード姿での泥棒シーンは少年たちに衝撃を与えたが、女性である筆者としても彼女たちのスタイルの良さには魅了された。筆者の友だちの間でも『キャッツ・アイ』は大人気で、プールの時間にスクール水着で主題歌を口ずさみながらポーズをとっていたのを思い出す。

 美女とレオタードの組み合わせは、ともすればお色気漫画にも思われがちだ。しかし、本作ではアクションシーンもきっちり描かれ、三姉妹のスタイリッシュな動きはとてもカッコよかった。

■不思議なアイシャドウの力で内気な少女が女怪盗に変身!

 可愛い少女を描くことに定評のある桂正和さんの『SHADOW LADY(シャドウレディ)』は1995年から連載開始となった作品。内気な少女「小森アイミ」が女怪盗シャドウレディに変身する物語だ。

 魔界からやってきた小悪魔にもらった魔法のアイシャドウでメイクすると、動物モチーフの6種類の姿と能力を得られる。通常のシャドウレディはコウモリのような羽と黒のミニスカワンピ姿だが、赤いアイシャドウの場合はネコ属性、青いアイシャドウで鳥属性になり、用途に応じた変身と際どい衣装が楽しめた。

 普段のアイミは自分に自信がなく、庇護欲を刺激するようなシャイな女の子。しかし、シャドウレディに変身すると大胆で活発になり、男性も手玉に取る。そのギャップが素敵であり魅力的に感じられた。

 『週刊少年ジャンプ』に連載されたシリーズ以外にも、読み切りや『Vジャンプ』に連載された作品もあり、筆者はとくに『Vジャンプ』に連載されたフルカラー版『SHADOW LADY』のアメコミ風の絵柄がとにかく好みだった。

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