
ファミコン時代の中期には、ゲームのジャンルの幅も増え、クリア時にエンディングが用意されるタイトルもでてきた。
その中には、プレイヤーが選択をミスすると「バッドエンド」となってしまうゲームもあり、当時のチビッコは恐れを抱いたものである。
有名なのは、名作『ドラゴンクエスト』だろう。ラスボスである「りゅうおう」に話しかけた際、「せかいのはんぶんをやろう」と、味方になることを誘われる。
この問いかけに「はい」を選択すると、ふっかつのじゅもんを聞かされた後、画面が黒くなり操作不能に。こうなるとリセットするしかなく、最後にりゅうおうから聞いたふっかつのじゅもんでゲームを再開すると、レベル1からやり直しとなってしまうのだ。
このような“最悪のエンディング”は、ほかのゲームにも存在した。今回は、ファミコンゲームの「予期せぬバッドエンド」を振り返っていこう。
※本記事には各作品の核心部分の内容を含みます
■恋人に別れを告げられる『マッド・シティ』
まずは、1988年にコナミ(現:コナミデジタルエンタテインメント)から発売された『マッド・シティ』。 横スクロールのアクションゲームで、ボタン操作でキックやパンチを繰り出し、敵を倒していく。ガンシューティングやレーシングゲームのシーンもあり、難易度が絶妙なのもあって最初から最後まで飽きさせないタイトルだ。
主人公のビリー・ウェストは謎の組織のボス、ゴードンに恋人のアナベルをさらわれてしまう。本作のエンディングは、屋敷に突入してラスボスを倒し、奥の扉から出てくるアナベルを救出した際に突入する。登場したアナベルを受け止めるようにキャラを操作すれば、そのまま抱き合い、エンディングとなる。
ところが、このときになんとアナベルから逃げ回ることが可能なのである。主人公に近づいてくるアナベルからひたすら遠ざかるように操作し続けると、急にエンディングが始まり、「モウアウコトハナイデショウ」とアナベルから別れを告げられてしまうのだ。
説明書によると、退役軍人のビリーと大会社の令嬢のアナベルでは“身分違い”であり、周囲は大反対とのこと。ならば彼女の将来のためにと、身を引きたいプレイヤー向けなのかもしれない。余談だが、アナベルが登場した際、上とセレクトを同時に押したままアナベルと抱き合うと、エンディングのセリフが「関西弁」になる。
■複数バッドエンドが用意された『さんまの名探偵』
1987年にナムコ(現:バンダイナムコエンターテインメント)から発売された『さんまの名探偵』。主人公の明石家さんまさんをはじめ、多数の吉本芸人が登場している名作アドベンチャーゲームである。
本作はぶんちん(桂文珍さん)が何者かに殺害されたところから始まり、犯人である「よしもとたかゆき」を追い詰めることでハッピーエンドを迎えられるが、複数のバッドエンドも用意されている。
まずは「宝さがし」のイベントだ。ぶんちん殺人事件の際、たかゆきの家から盗まれていた宝石「アフリカのほし」は、宝の地図をしめすアイテムであり、それを知ったのりお(西川のりおさん)が宝探しに誘ってくる。
これに「はい」と答えてしまうと、事件の捜査をあきらめる展開となる。さらにようやくたどり着いた宝箱は空っぽであり、飛行機が壊れたので帰れないというバッドエンドを迎える。
2つ目はたかゆきに「アフリカのほし」を渡してしまうことだ。ゲーム後半、しんすけ(島田紳助さん)が遺体で発見されるが、そこには盗まれたはずの「アフリカのほし」も落ちていた。現場には遺書があり、ダイヤを盗んだこと、ぶんちんを殺害したことが記されていた。
この後、「アフリカのほし」をたかゆきに見せてしまうと、しんすけが犯人だと誤解したままのバッドエンドとなる。
実はこの宝石は密輸品で、たかゆきはその事実をぶんちんに告発されそうになり、彼を殺害している。その犯行現場を目撃したしんすけはたかゆきを脅迫するが、逆にたかゆきは自殺に見せかけて彼を殺害。遺書によってぶんちん殺害の罪までなすり付けようとしたのだった。
そんな事件の真相が明らかとならないまま、エンディングとなってしまうわけだ。
そして、3つ目のバッドエンドは、たかゆきの追跡に失敗すること。ラストでたかゆきが逃亡するのをさんまが追いかける展開となるが、見当違いの方向へ行ったりすると逃げられてしまい、さんまは探偵を辞めタレント生活に戻る……という結末となる。
本作ではバッドエンドになると「おしまい」「……と おもったら おおまちがい!」と教えてくれる。たかゆきに「アフリカのほし」を見せるのはやりがちなプレイなので、バッドエンドと教えてくれるのが親切だった。