「キレイなのに不気味…」清純派女優の“豹変”が怖すぎる『世にも奇妙な物語』トラウマエピソードの画像
『世にも奇妙な物語』(C)フジテレビ

 1990年の放送開始以来、ホラー、サスペンス、ファンタジーなど、さまざまな奇怪なエピソードを集め、オムニバス形式で放送してきた『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)。現在も基本的に年に2回の特別編が放送されている人気長寿番組だ。

 主演を務める俳優のジャンルも多彩で、旬の人気女優が起用されることが少なくない。彼女らが恐怖に慄き、絶望する姿を見ているとこちらの背筋も凍ってしまう。

 しかし逆に、序盤の展開からは想像もできなかったとんでもない豹変演技で、新たな境地を見せてくれた女優たちもいる。

 今回は、清純派女優が恐怖の豹変ぶりを見せたエピソードを振り返っていきたい。

※本記事には各作品の内容を含みます

■恐怖の笑い声で視聴者を戦慄させた吉岡里帆のキャラ変

 まずは『世にも奇妙な物語 '17秋の特別編』で放送された『寺島』というエピソードでの吉岡里帆さんの演技から。これはもともと漫画家・カサギヒロシ氏による漫画『逃走鉄馬バイソン』の3巻に収録された読切漫画を原作とした作品だ。

 物語は、初連載が決定したものの、アシスタントがやめて困っていた男性漫画家・山崎(峯田和伸さん)のもとに、寺島ひな(吉岡さん)と名乗る新しいアシスタントが現れるところから始まる。山崎はかわいらしい容姿の寺島を気に入った様子で、彼が寺島の顔をモデルに新キャラの絵をスケッチブックに描いていると、彼女は小学生時代に友だちだった奇妙な同級生・摩子のことを語り出す。

 寺島が言う摩子は、ともに学校のウサギ古屋の世話をしていた女の子で、いじめられっ子で猿のような声で笑い、手首に傷があった。だがある日、ウサギが死ぬ事件があったといい、寺島は「摩子ちゃんがやったんじゃないかって……」と不気味な思い出として振り返る。

 寺島が話す摩子の思い出話を山崎は強張った表情で聞いていたが、寺島はアシスタントに来る1時間ほど前に、大人になった摩子に会ったというのだ。成長した摩子は容姿が変わっていたが、猿のような笑い声はそのまま。彼女から逃げるように山崎の家に来て、今も寺島を探し回っているという。

 摩子の影にビクビクと怯える寺島だが、実はこの寺島と名乗る人物こそが摩子だった。仕事場に来る前、彼女は本物の寺島ひなを殺害して、なり変わっていたのだ。

 『寺島』は、後半にかけて恐ろしさが一気に加速するエピソードで、トラウマ必至なのは「お好きですか? メロン。割れちゃったけど」と、カバンに入った本物の寺島の頭部を山崎に覗き込ませるシーン。ラストには黒髪のウィッグを外した坊主姿で、劇中でも印象的に登場し、恐怖を想起させる「猿みたいな笑い」をする摩子の姿が画面いっぱいに映し出された。

 間違いなく、吉岡さんのそれまで見せたことがない姿に多くの視聴者が恐怖したことだろう。序盤の恐怖に怯える清楚なキャラから一変、鬱屈とした不気味な姿への変貌は、振り幅がありすぎる。

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