■『仮面ライダーエグゼイド』命の重みを知ったパラドの協力プレイ
『仮面ライダーエグゼイド』のパラドは、怪人バグスターの参謀であり、仮面ライダーパラドクスへと変身する難敵である。
「心が躍るなぁ!!」という彼のセリフに象徴されるように、戦いをゲームのように楽しむパラド。演じる甲斐翔真さんの爽やかなルックスと無邪気な笑顔が印象的だったが、それがまた不気味に感じられた。
物語中盤、パラドの正体は仮面ライダーエグゼイド/宝生永夢の“ゲームの遊び相手がほしい”という純粋な心から生まれたバグスターだったという事実が明かされる。
そんなパラドの転機となるのが、第40話「運命のreboot!」である。
永夢との戦いに敗れ、初めて“死の恐怖”を知ったパラド。これまで無邪気に人の命を奪ってきた彼が、自らの消滅を目前にして初めてその重みを痛感し、涙を流して懺悔するのだ。
そんなパラドに永夢が「これからは命を奪うために戦うんじゃない、命を救うために一緒に戦うんだ」と手を差しのべる。その言葉を受け、パラドは永夢とともに戦う道を選ぶのだった。
そして、それまで圧倒されていた仮面ライダークロノス/檀正宗を、永夢とパラドのコンビネーションが圧倒。まるでゲームの強ボスを協力プレイで攻略するかのように撃破してみせる。
戦いのあとにパラドと永夢が交わしたグータッチはただの勝利の証ではなく、敵だった2人が真のバディへと生まれ変わった瞬間だった。まさに、視聴者の“心が躍る”名シーンだと言えるだろう。
単なる敵役にとどまらず、信念を持ち、成長を遂げる“イケメン怪人”たち。彼らはライダーとぶつかり合いながらも、やがて共闘し、ドラマティックな名シーンを生み出してきた。
木場勇治、ハート、パラド。彼らの戦いと選択は、仮面ライダーの物語をより深く、熱く彩った。そして、彼らが最後に見せた“生きざま”は多くの視聴者の心に刻まれている。
今後も、彼らのような魅力的な怪人が現れ、新たな名シーンを刻んでいくことを期待せずにはいられない。