「敵だけどカッコよすぎ…」平成『仮面ライダー』イケメン怪人が魅せた「胸アツ共闘シーン」の画像
Blu-ray『仮面ライダー555(ファイズ)』Blu-ray BOX 1/TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D) © Toei Video Co.,LTD. 2016 All Rights Reserved.

 『仮面ライダー』シリーズには、主人公と敵対する怪人のなかにも、強い信念とドラマ性を持ち、視聴者の心をつかむキャラクターが数多く登場する。とくに、ビジュアルの良さに加え、作中で成長し変化していく“イケメン怪人”たちは、多くのファンにとって忘れられない存在だ。

 今回は、そんなイケメン怪人たちがライダーと共闘した、胸が熱くなる名シーンを振り返る。

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

■『仮面ライダー555』もう一人の主人公・木場勇治が辿りついた答え

 『仮面ライダー555』に登場するホースオルフェノクこと木場勇治は、まさに「本作もう一人の主人公」と呼ぶにふさわしいイケメン怪人だった。

 怪人“オルフェノク”という圧倒的な力に覚醒しながらも、同じくオルフェノクとなってしまった海堂直也や長田結花とともに、人間社会での居場所を求め続ける木場。

 そのなかで、仮面ライダーファイズ/乾巧との信頼関係が徐々に築かれていく様子が、冷酷で自己中心的な草加雅人とは対照的に描かれており、演じる泉政行さんの誠実な容姿も相まって非常に好感が持てる存在だった。

 しかし、そんな木場も結花の死をきっかけに人間に絶望し、オルフェノクの王・アークオルフェノクを覚醒させて世界をオルフェノクのものにしようと画策し始める。かつて信頼を寄せた巧とも決別してしまうのだ。

 そして、最終第50話「俺の夢」では、そんな巧と木場が激突。戦いの末、巧が勝利するも、巧は彼にトドメを刺すことができず、ラスボス・アークオルフェノクのもとへ向かう。

 しかしアークオルフェノクの力は圧倒的で、なすすべなく倒れこむ巧。そんな巧の前に現れたのが、木場だった。

 「まだ俺には分からない……何が正しいのか。その答えを、君が俺に教えてくれ」と言い、木場は仮面ライダーカイザへと変身。三原修二の仮面ライダーデルタも加わり、本作の3人のライダーが共闘する展開はまさに胸アツ。

 しかし、それでもアークオルフェノクの力は止まらない。木場は最後の決断を下し、アークオルフェノクを羽交い締めにして巧にうなずき、合図を送る。その木場の覚悟を受けた巧は、叫びながらブラスターフォームの超強化クリムゾンスマッシュを放ち、木場もろともアークオルフェノクを粉砕するのだった。

 人間として生きることを願いながらも、オルフェノクとしての運命に翻弄された木場勇治。巧との共闘と最期の自己犠牲が、彼が辿りついた“答え”だったのだろう。

■『仮面ライダードライブ』ロイミュードの王・ハートが見せつけた生きざま

 『仮面ライダードライブ』に登場する、怪人“ロイミュード”の王・ハート。

 ハートは仲間であるブレンやメディックから厚い信頼を寄せられており、仮面ライダードライブ/泊進ノ介とも互いに認め合う好敵手であった。のちに『ウルトラマンブレーザー』の主人公、ヒルマ・ゲントを演じた蕨野友也さんの端正なビジュアルも相まって、赤いロングコートを翻す姿はカリスマ的な存在感を放っていた。

 物語終盤、ロイミュードの開発者にして、半年前に人類を襲った「グローバルフリーズ」の元凶である蛮野天十郎が復活。ブレンを殺され、さらにメディックさえも利用しようとする蛮野の非道に怒り、ハートは彼を討つことを決意する。

 第45話「ロイミュードの最後の夢とはなにか」にて、進ノ介のピンチに駆けつけたハートとメディック。「しばらく共に戦ってやる、泊進ノ介」と告げる彼の姿はカッコ良く、その後、ドライブ、マッハ、チェイス、ハート、メディックの超進化態が並び立ち、5人が一斉に変身するシーンは圧巻だった。

 そして、尊い仲間の犠牲を払いながらも、蛮野の野望を阻止した進ノ介とハート。しかし、ここでハートは進ノ介の差し出した手を払いのけ、「さぁ…約束通り決着だ、泊進ノ介」と決着を求め、戦いを挑む。

 だが、ハートは先の戦闘ですでに致命傷を負っていた。進ノ介との決着という望みも叶わず、「ロイミュードという種がいたことを覚えていてほしい」と願いを託し、静かに消滅する。最期まで堂々とした生きざまが印象的だった。

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