■「しんそく」の名に違わない一撃必殺の大活躍!『ポケットモンスター ルビー・サファイア』マッスグマ

 2002年に発売された『ルビー・サファイア』は、ハードをゲームボーイアドバンスに一新したことにより、表現力やゲームボリュームが大幅に向上した。

 これに伴い、ポケモンの数も386体とさらに増加したのだが、なかでも見かけによらない高性能さでプレイヤーを驚かせたのが、今作で初登場を果たした「マッスグマ」だろう。

 ゲーム序盤で手に入るジグザグマが進化した姿で、進化前のぼさぼさした毛並みから一変、つややかな直毛を持つスマートな姿が特徴だ。

 比較的容易に手に入るうえ、数多くの技を覚えることからさまざまな場面で活用できるポケモンである。かくいう筆者も、「ひでんわざ」を覚えさせることで物語終盤まで長らく旅のお供として活躍してもらっていた。

 そんなマッスグマだが、戦闘能力もかなり優秀。なんの変哲もないノーマルタイプのポケモンに見えるが、実は数々の強力な攻め手を有している。

 まず1つが、マリルリ同様「はらだいこ」で一気に攻撃力を上げられるという点。前述した通り「はらだいこ」は発動するとHPが減るデメリットがあるのだが、この特性を逆利用し、HPが減るほどに高火力となるタイプ一致の技「じたばた」の威力を極限まで上げることが可能なのである。

 加えて当時、特別な個体のマッスグマは高威力な先制技「しんそく」を覚えられたため、こちらもタイプ一致なことから、想像以上の凄まじい威力を叩き出していた。

 耐久性は低いマッスグマだが、きのみの効果やアイテムを駆使することでこのデメリットを解消し、限界まで高めた火力を最大速度で相手に叩き込む、まさしく先手必勝の戦術が当時、猛威を振るっていたのである。

 対策なしだとマッスグマから先攻をもぎ取ること自体が難しく、たった1体のマッスグマになすすべなくパーティを壊滅させられた……なんてことも珍しくはなかった。

 お手軽に手に入るポケモンかと思いきや、まさに「しんそく」と呼ぶにふさわしい活躍であった。

 

 過去から現在に至るまで、個性豊かな面々が活躍する『ポケットモンスター』シリーズ。見た目に反し、強力無比な性能を持っているポケモンたちは、そのギャップも魅力であった。

 使い方次第では、対策していない相手を一方的に壊滅させることもできるため、対人戦で勝ち抜くためには、どのポケモンもその性質をしっかりとチェックしておくべきだろう。

 一見、弱そうに見えても、タイプや特性、技を組み合わせることで意外な化け方をするのも、『ポケモン』シリーズの醍醐味なのである。

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