■パイロットとの相性が悪かった? 「G-アルケイン」

 『ガンダム Gのレコンギスタ』の主役機「G-セルフ」と同じく、「G系統」と呼ばれる可変モビルスーツの「G-アルケイン」。物語序盤から登場し、「フルドレス」と呼ばれる追加装備まで手に入れてパワーアップしつつ、最後まで戦い抜いた機体だ。

 出番の多さに関しては主役メカ級だったにもかかわらず、残念ながら活躍度で考えるとあまりにも物足りなかった。

 バルカン、ビーム・ライフル、ビーム・サーベルといったベーシックな武装に加え、高出力の対艦ビーム・ライフルを装備。大型のビーム兵器を備えた、長距離射撃に向いている機体である。

 その性能の高さに比べて活躍の場面が少なかったのは、やはりメインパイロットが「アイーダ・スルガン」だったため、と考えるのが自然だ。お世辞にも彼女の操縦技量は高いとはいえず、ミスも目立つ。残念なことに、アルケインの最大の武器である遠距離射撃が当たる場面はほとんどないどころか、逆に前に出すぎて危うい目に遭うことのほうが多かった印象である。

 また可変機構を持った機体ながら、なぜかテレビアニメでは一回も変形しなかったのも残念なところ。ちなみに外伝や劇場版では、少しだけ変形後の姿を見ることができる。ちなみにアルケインが変形しなかった理由として、変形は「美意識に合わない」というアイーダの回答もあるが、真相は謎に包まれている。

 なお、フルドレスに換装されてからは、ユグドラシルのテンダービームの軌道を逸らすなどの活躍もあり、窮地に陥る場面は以前より少なくなった。彼女自身の成長もあるが、やはり繊細な狙撃機より、火力で押し切るタイプのほうが合っていたのかもしれない。もしアルケインにそれなりのパイロットが搭乗していたら、一体どれほどの活躍をみせてくれたのだろうか……。


 一応ガンダムなのに、そこまで活躍シーンが多くなかった機体を振り返ってきた。いずれも性能は優秀でパイロットもメイン寄りの人物ばかりという、活躍が約束されたような立ち位置だったにもかかわらず……である。どの機体もメカのカッコよさは申し分ないので、本編での活躍シーンをもっと観てみたかったと感じた視聴者も多いのではないだろうか。

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