
現在公開中の映画『機動戦士Gundam GQuuuuuuX(ジークアクス) -Beginning-』は興行収入28億円を突破する大ヒットを記録している。
令和に入ってもガンダム作品の人気は衰えることを知らない。その見どころのひとつが、主要メカたちのカッコいい戦闘シーンだろう。なかでも、やはり主人公機をはじめとするガンダムタイプの活躍に魅力を感じるファンは少なくないはず。
だが、なかにはガンダムの名を冠した機体でありながら、あまりにも活躍シーンが少なかった残念な機体があることをご存知だろうか。
※本記事には各作品の内容を含みます。
■運が悪すぎた「ガンダム・フラウロス」
まず、『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』の「ガンダム・フラウロス」がそうだ。メインキャラクターのひとりである「ノルバ・シノ」が搭乗することになった念願のガンダム・フレームだ。
物語序盤からずっと鉄華団のメンバーだったシノが、満を持してフラウロスに37話で乗ることができた。だが、その喜びも束の間、45話には早々と撃破され、パイロットのシノも戦死するという悲劇を迎える。
そのときフラウロスは、たった一発だけの電磁投射砲「ダインスレイヴ」を発射し、敵艦を狙うという賭けに出た。だが、主人公の三日月・オーガスと交戦中だった相手の攻撃によってダインスレイヴの狙いが外れてしまい、シノは敵艦に向かって特攻。結局、目的を果たせずに撃墜されるという、あまりに切ない最期だった。
フラウロスが稼働したわずかな話数においても毎回戦闘シーンがあったわけではなく、残念ながら目立った戦果を挙げることはできなかった。貴重な砲撃戦仕様の重火力モビルスーツだっただけに、その長所を活かせず散ってしまったのが残念だ。
■パイロットの迷いが致命的? 「セイバーガンダム」
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する「セイバーガンダム」は、一応メインキャラクターの「アスラン・ザラ」が乗った機体にもかかわらず、うっかりすると忘れてしまうくらい存在感の薄かったガンダムかもしれない。
同機は可変機であり、機動力の高さを活かして変形を繰り返しながら相手を翻弄する戦術を得意にしている。武装もビームサーベルにビームライフル、バルカンといったオーソドックスなものに加え、大出力の「プラズマ収束ビーム砲」まで備えていた。
変形機構に高火力武器まで揃った万能機で、当初は被弾する場面すらほとんどない優秀な機体に思えたが、第28話でいきなりの悲劇が訪れる。
キラ・ヤマトが乗るフリーダムガンダムとの交戦中、アスランが迷いを抱いていたところを突かれて動揺。セイバーガンダムはフリーダムの攻撃によって、頭部、両腕、両脚をバラバラに切断されるという、あまりにもショッキングな状態で敗れた。
セイバーは、ガイアやカオス、インパルスなどと同じセカンドシリーズの機体で性能面は申し分なかっただけに、もっと活躍してもいい機体だった。