■ヒロイン登場! 人間のために戦う鬼太郎「第3シリーズ」
第2シリーズから十数年の時を経て1985年から放送された第3シリーズは、前作からガラリと作風が変わっている。鬼太郎の性格もこれまでより正義感が強く、悪を許さない勧善懲悪のヒーロー然とした立ち振る舞いが目立つ。
そんな鬼太郎の声を務めたのは、戸田恵子さんだ。人間を想い、妖怪と人間の平和を望む第3シリーズの鬼太郎は当時の子どもたちに愛され、歴代作品屈指の人気作となった。
本シリーズの大きな特徴と言えば、アニメオリジナルキャラである人間の女の子・天童ユメコがヒロインとして登場したことだろう。ときにユメコに翻弄される初々しい鬼太郎の姿も見どころである。
また、今では馴染みのある「鬼太郎ファミリー」が確立したのも本シリーズからであり、目玉おやじや猫娘、ねずみ男だけでなく、子泣き爺、砂かけ婆、一反木綿、ぬりかべなど、魅力的なキャラがストーリーを盛り上げた。
宿敵・ぬらりひょんの存在が大々的に描かれるようになったのも本シリーズだ。ダイナミックなアクションシーンは見応えがあり、さらに初登場となった武器「妖怪オカリナ」を用いて戦う鬼太郎の姿がなんともカッコ良かった。
■原点回帰! 妖怪らしい鬼太郎が帰ってきた!「第4シリーズ」
前作が原作から大幅にアレンジされた作風であったのに対し、1996年から放送された第4シリーズでは、再び原作に忠実な鬼太郎の姿が描かれている。
鬼太郎の声優を務めたのは、松岡洋子さん。ヒロイン・ユメコに翻弄されていた鬼太郎の姿はなく、どこか落ち着いたイメージである。本作での鬼太郎は、自分も妖怪であるからこそ妖怪に寄り添った行動を取ることもあり、“人ならざる者”としての雰囲気が戻っていた。
一方で、宿敵・ぬらりひょんとの戦いも熾烈を極め、鬼太郎の信念でもある「妖怪と人間の共存」を叶えるために戦う姿も印象的だ。
冷静沈着でクールな部分は第2シリーズに通ずるところがあるが、第4シリーズでは少し抜けたところも描かれ、親しみやすいキャラクターとなっていた。