
1968年に初めてアニメ化を果たして以降、第6シリーズまで制作されている水木しげるさん原作の『ゲゲゲの鬼太郎』。2023年に公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は累計興行収入が30億超えと大ヒット。世代を超えてファンに愛される言わずと知れた名作である。
そんな『ゲゲゲの鬼太郎』は、シリーズを重ねるごとにキャラクターがリニューアルされ、変化を見せていることでも知られている。そこで今回は主人公の鬼太郎にスポットを当て、どのような変化を遂げてきたのか見ていこう。
※本記事には各作品の内容を含みます
■モノクロで妖怪らしい恐ろしげな見た目!「第1シリーズ」
上述したが、本作が初めてアニメ化されたのが1968年。第1シリーズと呼ばれるこの初期作品は、シリーズ唯一のモノクロ放送でもあり、水木さんの原作を忠実に再現している。鬼太郎の見た目はもちろん、登場する妖怪たちがやけにおどろおどろしく恐ろしげなのが特徴だ。
メインストーリーは妖怪である鬼太郎が人間に悪さをする妖怪たちを退治していくヒーローものとなっており、原作よりもいわば“正義の味方”感が強い。瞬く間に人気アニメとなった『ゲゲゲの鬼太郎』は妖怪ブームを巻き起こし、当時の子どもたちを夢中にさせた。
また、本作で鬼太郎の声を担当したのが野沢雅子さんだ。当時から人気声優であったが、野沢さんにとって初の主人公役であった。正義感溢れるどこかはつらつとした野沢さんの鬼太郎は必聴だ。
当時を知るファンのなかには、「第1シリーズが一番怖くて面白い」という人もいるほど、“怖さ”も際立っていた第1シリーズ。鬼太郎人気に火をつける作品となった。
■初のカラー放送に!大人びたクールなヒーロー「第2シリーズ」
第1シリーズ終了から2年後、1971年から放送された第2シリーズはカラー放送となった。今ではレギュラーメンバーの猫娘が、ヒロインとして登場するようになったのもここからである。
前作の続編として放送が開始された本シリーズでは、少し鬼太郎の性格が大人びているのが特徴だ。引き続き野沢さんが声を務めているのだが、第1シリーズで見せた子どもらしさや、女の子にも弱いお茶目な鬼太郎ではなく、妖怪らしさを持つクールなヒーロー像となっている。
内容も「人間の欲望」を描いた重めのストーリーもあり、子どもウケのいい第1シリーズと比べると大人にも刺さる作品となっていた。