■即死級の欠陥を有する巨大モビルアーマー

 模型雑誌企画、および小説などの媒体で展開された『ガンダム・センチネル(GUNDAM SENTINEL)』には、「ゾディ・アック」というモビルアーマーが登場する。ゆうに全長200メートルを超える超巨大な機体で、2機に分離可能だった。

 このゾディ・アックの機体そのものが巨大なメガ粒子砲になっており、ビーム兵器としてはコロニーレーザーを除くと、史上最強クラスの威力を誇る。

 しかし機体の構造上、大型メガ粒子砲はメインエンジンや推進剤タンクに挟まれた位置にあった。そして発射するたびに推進剤の詰まったタンクが高熱を帯びるため、つねに自爆の危険性があるという、とんでもない設計なのだ。

 そんな欠陥を抱えているため、テストが終わり次第廃棄される予定だったが、ティターンズと同じく「アースノイド至上主義」思想を掲げる組織「ニューディサイズ」へと譲渡される。

 その際、ゾディ・アックが抱える重大な欠陥は伝えられておらず、連邦が誇る「S(スペリオル)ガンダム」と交戦時に、分離したゾディ・アックの片方がメガ粒子砲を発射して自爆。もう1機はSガンダムの狙撃によって破壊された。

 もはや設計段階で気づいておいてほしい致命的欠陥ではある。だが、その設計目的は低軌道制空用兵器であり、宇宙から地上の目標に大出力ビームを降らせるという思想は、後年に開発されたザンスカール帝国のモビルスーツ「ザンネック」が実現することになる。


 今回は射撃のたびにあまりにも大きな反動や代償が伴う兵器たちを紹介した。ガンダム作品には、乗るのも恐ろしい危険な機体はたくさんあるが、攻撃するたびに死の危険が伴うのはかなり怖い。ガンダム好きの皆さんが「どうしてこんなの作った?」とツッコみたくなった機体とは何だろうか。

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