『ドラゴンボール』だけじゃない! 『キン肉マン』や『幽☆遊☆白書』も…パワーインフレが凄まじかった「ジャンプ漫画」の画像
『幽☆遊☆白書』25th Anniversary Blu-ray BOX 霊界探偵編【特装限定版】(バンダイビジュアル)©Yoshihiro Togashi 1990年-1994年 ©ぴえろ/集英社 ©1994「幽遊白書 冥界死闘篇 炎の絆」製作委員会

 「パワーインフレが凄まじい漫画は?」と聞かれたとき、多くの人が真っ先に思い浮かべるのが鳥山明さんの名作『ドラゴンボール』ではないだろうか。

 物語序盤では、孫悟空のかめはめ波だけで驚かれていたが、やがて「戦闘力」という概念が登場。“戦闘力5のおっさん”からはじまり、数百から数千、フリーザの「戦闘力53万」に衝撃を受けたのも束の間、それをも凌ぐ者が次々と現れた。

 さらに続編『ドラゴンボール超』では、もはやどこまで強くなっていくのか分からない状態が続いていく。

 しかし、パワーインフレが凄まじかったのは『ドラゴンボール』だけではない。『週刊少年ジャンプ』(集英社)の漫画には、強さの概念が爆発的にインフレし、戦いについていけなくなるキャラが続出した作品が数多く存在する。その代表的な例を振り返ってみよう。

 

※本記事には作品の核心部分の内容を含みます

 

■『キン肉マン』跳ね上がる超人強度

 ゆでたまご(原作:嶋田隆司さん、作画:中井義則さん)による『キン肉マン』も、パワーインフレが著しい作品の一つだ。

 初期は、怪獣退治をするダメ超人なイメージだったキン肉マン。本作はギャグ漫画からやがてプロレス系格闘漫画へと路線変更し、その後、バッファローマンとウォーズマンの戦いで「超人強度」という数値化された概念が登場。インフレが加速していく。

 この戦いではウォーズマンが、“自身の超人強度は地球で活躍する超人では1番の100万パワー”と誇るが、続くバッファローマンはそれを鼻で笑い「わたしの超人強度は…1000万パワーだ!!」と、いきなり10倍のインフレを見せつける。

 「夢の超人タッグ編」では、さらにスケールが拡大。1500万パワーのケンダマン、2800万パワーのネプチューンマン、そして5000万パワーのネプチューン・キングが登場。強さの桁がどんどん上がっていくのだ。

 そして「キン肉星王位争奪編」では、ついに邪悪神が憑依したキン肉マン スーパー・フェニックスが1億パワーを記録。

 しかし、そんな1億パワーのスーパー・フェニックスを相手にしても、95万パワーのキン肉マンが「火事場のクソ力」を発動、逆転勝利を収めているのが本作の面白いところだ。

 現在も連載は続いており、9999万パワーや1億パワーの超人たちが次々と登場している。果たしてこのインフレはどこまで進むのか……。しかしそれでも我らが超人たちは、未知なる力を発揮し勝利してくれるに違いない。

■『幽☆遊☆白書』あれだけ強かった戸愚呂弟がB級妖怪?

 冨樫義博さんの『幽☆遊☆白書』も、驚異的なパワーインフレを遂げた作品だ。

 「暗黒武術会編」では、圧倒的な存在感を放った戸愚呂弟。100%の力を解放した際の絶望感は計り知れなかった。

 しかし「魔界の扉編」に突入すると、S、A、B、C、Dの5ランクからなる「妖怪ランク」という新たな概念が登場。あれだけ強かった戸愚呂弟だが、実は「B級妖怪」に過ぎなかったことが判明し、読者に衝撃を与えた。

 そして「魔界の扉編」のラスボス・仙水忍はS級妖怪に匹敵する力を持っており、さらに「魔界統一トーナメント編」突入後は、魔界の三大妖怪・軀、黄泉、雷禅の登場により、S級のなかでも大きな力の差があることが明らかとなる。

 さらに、魔界統一トーナメントでは彼らに匹敵する妖怪たちが次々と現れ、果てはS級の脇役キャラまでも登場することとなるのだ。

 戸愚呂弟との壮絶な戦いは、いったい何だったのか……そんな疑問を抱かずにはいられないほどのインフレぶりであった。

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