「ズンドコベロンチョ」に「エアドクター」も…怖くなくても神回!『世にも奇妙な物語』伝説の「コメディ回」の画像
『世にも奇妙な物語』(C)フジテレビ

 1990年の放送開始以来、トラウマレベルのホラーやミステリーなど延べ500本を超えるショートドラマを生み出してきた長寿番組『世にも奇妙な物語』(フジテレビ系)。ただ怖いだけでなく後味の悪さを残す作品も多かったため、中には今でも怖いシーンが脳裏に焼きついているという人もいるのではないだろうか。

 その一方で、思わず笑ってしまうようなシュールなコメディ回があったのも『世にも』ならではの魅力である。そこで今回は、独特の世界観が爆発していたコメディ回を振り返ってみよう。

■今でも正体がわからない『ズンドコベロンチョ』

 まずは、今なお根強い人気を誇る1991年放送の『ズンドコベロンチョ』を見ていく。脚本を北川悦吏子さんが担当した同作は、一度聞いただけで忘れられなくなる謎の言葉、「ズンベロ」こと「ズンドコベロンチョ」に振り回される一人の男の姿を描いた物語だ。

 やり手ビジネスマンの三上修二(草刈正雄さん)はある日、社員たちが「ズンドコベロンチョ」について話しているのを耳にする。「俺が知らないことは何もない」と自負するプライドの高い三上にとって、この未知の言葉は衝撃だった。

 正体を突き止めるべく、人々の会話からヒントを探り必死に調べまくる三上。だが、いくら調べても答えが見つからず混乱するばかりで、そんな三上に反して世間ではますます「ズンドコベロンチョ」の話題で溢れかえっていく。

 しまいには、会社でも「ズンドコベロンチョプロジェクト」が勃発し、三上はその責任者に抜擢されてしまう。これまで「ズンドコベロンチョ」に振り回され続けてきた三上は絶望。プライドを捨て、大抜擢を祝福してくれる職員たちに向かって半泣きで「ズンドコベロンチョってなに……」と聞くのだった。

 結局、最後まで「ズンドコベロンチョ」の正体は明かされない。謎が謎を呼び謎のままで終わっていく展開には、どこか薄気味悪さを感じてしまう。だがその半面、あまりの意味のわからなさに強く惹きつけられてしまう不思議な物語だ。インターネットが普及した今の時代だったらどんな展開になるのか、そんなことを考えてみるのもおもしろい。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4